「夜に背中がかゆくて眠れない」「かいたらさらにかゆくなるし、イライラする」などの症状で悩んだり、ついかいてしまって後悔したりすることはありませんか?背中は手が届きにくいので、余計に気になりますよね。
この厄介な背中のかゆみ、皮脂が減る40代以上に増えているそうです。
今回は、皮膚科専門医の高山かおる先生に、背中のかゆみの要因と対処法について伺いました。
手が届きにくい背中のかゆみは、「かゆくてたまらない、かきたい!」と感じてしまい、ストレスになることもありますよね。
そんなかゆみがおこる主な要因は、以下の5つが考えられます。
(1)入浴などで体温が上昇して血流が上がる
(2)布団や衣類でこすれて刺激になる
(3)入浴時の肌のゴシゴシ洗いが刺激となる
(4)汗の成分が刺激になる
(5)皮脂欠乏と乾燥
高山先生によると、「かゆみが起きやすい時間帯は様々ですが、就寝時は、体温の上昇や布団、衣類などの摩擦で体のかゆみを感じやすくなります」とのこと。
とくに睡眠時にかゆみがおこると、何度も目が覚めるため寝不足になってしまうので、しっかり対処したいものです。
就寝時に背中がかゆいと、ついかいてしまう人も多いと思いますが、高山先生によると、一番の対処法は“かかないこと”だそう。
「かゆいと感じてかくと、皮膚のバリア機能が低下し炎症が起き、皮膚が荒れてさらにかゆくなるという悪循環=“かゆみサイクル”が回りはじめ、どんどんかゆみが悪化してしまいます。」
とくに、爪が伸びた手や「孫の手」でかくと、皮膚を傷つける可能性があり、かゆみサイクルを起こしやすくなります。また、かくだけでなく、衣類の摩擦による刺激で肌が荒れてかゆみが起こることもあるため、注意が必要だそうです。
かかずに、かゆみを止めるにはどんな対処が有効なのでしょう。高山先生に伺いました。
「かゆみを止める方法は“かかないこと”。かかないためには、入浴時に熱めのお湯につからない、室内の湿度を60%程度に保つ、綿の衣類や寝具を使うなど素材に配慮し、皮膚への刺激を避けることです。」
さらに、「乾燥が気になる場合は保湿剤、かゆみがある場所にはかゆみ止め剤をこまめに塗布することが大切になります。背中やスネなど広い範囲でかゆみを感じる場合は、広く塗り伸ばしやすいローションやクリームのかゆみ止め剤がおすすめです」とのことでした。
保湿のポイントは次の4つ。
(1)入浴時や就寝前に、全身しっかり保湿する
(2)広範囲に塗りのばしやすいものを選ぶ
(3)低刺激タイプの保湿剤を選ぶ
(4)保湿を習慣化する
まずは、入浴後にしっかり保湿ケアをして、皮膚の乾燥を防ぎ、乾燥によるかゆみを防ぎましょう。
もしも肩関節が硬くて背中に保湿剤を塗ることが困難な場合は、市販されている、背中にかゆみ止めを塗るための専用の器具を使って、しっかりと塗るのがおすすめです。
セルフケアで症状が良くならない場合は、ほかの原因が隠れているかもしれませんので、早めに皮膚科を受診して、かゆみストレスを手放しましょう。
協力:ユースキン製薬株式会社
監修者:高山かおる先生 済生会川口総合病院皮膚科主任部長
(ビューティー&ヘルスライター 町山町子)
【関連記事】
・実年齢よりおばさんに見えてしまう人の特徴3つ
・顔がたるむ原因は実は●●!? たるみ解消のためにすべきこと
・ハンドクリームだけはNG?老け手を若返らせる方法
・40・50代が使うべきプチプラ美白コスメ3つ