身体を細菌やウイルスなどの外敵から守るには、「免疫力」が大切ですよね。そこで注目したいのが、「粘膜」の健康です。
粘膜を健やかな状態に保つことは免疫力UPにもつながるため、食事から粘膜強化を狙いましょう。
管理栄養士の筆者が、健康な粘膜作りのために摂りたい栄養素を3つご紹介します。
鼻や口などの粘膜は空気と触れることが多いため、細菌やウイルスなどの外敵が侵入しやすい場所です。冬場などの乾燥が気になる季節に、マスクなどで鼻や喉の粘膜を守るのはこのためです。
また、消化管の粘膜には、食べ物と一緒に外敵も侵入しやすいともいえます。したがって、粘膜を健やかな状態に保つことで、細菌やウイルスなどの外敵から身を守ることにつながります。免疫力UPも期待できるでしょう。
「ビタミンA」は粘膜を丈夫にする働きがあるため、健康な粘膜作りには欠かせない栄養素です。脂溶性ビタミンなので、油と一緒に摂取すると吸収率もUPします。
レバー、うなぎ、卵、牛乳、チーズ など
「ビタミンB2」にも、粘膜を保護して細胞の再生をサポートする働きがあります。ビタミンB2が不足すると、口内炎ができやすくなる場合もあります。
20~40代女性は、ビタミンB2の摂取量が不足気味な人が多いといわれています。
また、ビタミンB2は脂質の代謝に関わる栄養素なので、脂質が多い食事をしているとさらに不足気味になりやすいです。免疫力を上げたい時は、「脂質控えめ」の食事を心がけましょう。
レバー、うなぎ、さんま、ぶり、卵、納豆、牛乳、ヨーグルト など
「ムチン」とは、おくらなどのネバネバした食品に含まれている成分です。
ムチンのぬめりによって粘膜が保護されるため、風邪やインフルエンザ予防にもつながるといわれています。
納豆、やまいも、里芋、おくら、なめこ、れんこん など
ムチンは水溶性なので、加熱することによって食材から溶け出てしまいます。ですから、汁ごと食べられる調理法がおすすめです。
たとえば、「おくらの煮浸し」「なめこの味噌汁」「長芋や里芋の煮物」などです。「煮る」「茹でる(茹で汁まで利用する)」を意識してください。
食生活は、免疫力を上げるために大切です。急に免疫力を上げるための対策をするのではなく、日頃から着実に食事で対策していくようにしてくださいね。
(フリーランス管理栄養士 今井 尚美)
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【参考】
※予防の立役者「IgA抗体」 – 大塚製薬
※免疫力低下の原因 – 大塚製薬
※ビタミンAの働きと1日の摂取量 – 健康長寿ネット
※ビタミンB2のおはなし – エーザイ
※ムチン – わかさ生活