自分では気がつかないうちにストレスを溜め込んでいる人もいらっしゃるのではないでしょうか。長期間ストレスを感じていると自律神経が乱れやすく、胃腸の不調や肌荒れの原因にもつながってしまいます。
日々の食事から、ストレス対策をしていきましょう。
管理栄養士の筆者が、ストレス対策のために摂りたい栄養素をご紹介します。
カルシウムは緊張や興奮を鎮める働きがあるため、気持ちが張り詰めている時に感じたストレスの緩和に効果が期待できます。
カルシウム不足の女性は多いといわれているため、日頃から意識して摂取しましょう。
カルシウムは、乳製品や納豆、骨ごと食べられる魚に豊富に含まれています。しらす干しやアーモンドフィッシュなどのお菓子でも補給することができます。
ストレスを感じると、ストレスに対抗するために「アドレナリン」が分泌されます。その分泌のためには、「ビタミンC」が大量に消費されます。
したがって、ストレスを感じた際にビタミンCを充分に補給していないと、ストレスをため込んでしまう場合があります。
ビタミンCは、パプリカやピーマン、ブロッコリーなどの野菜、キウイやイチゴなどの果物に多く含まれています。加熱に弱いため、生のまま食べることがおすすめです。
また、アセロラジュースやレモンジュースも手軽にビタミンCを補給できる飲み物です。適度な糖質も、ストレス発散のためには良いですね。
トリプトファンは、食事から摂取しなくてはならない必須アミノ酸のひとつで、精神を安定させる働きがある脳内の神経伝達物質「セロトニン」の材料です。
また、セロトニンから作られる「メラトニン」には体内時計を調節する働きがあるので、生活リズムを正常に保ち、質の良い睡眠へと導きます。
質の良い睡眠がとれていると、少々のストレスを感じても心と身体は対抗することができるため、「睡眠=ストレス対策の基本」といえます。
トリプトファンは、乳製品や納豆、ナッツ類、バナナに多く含まれています。間食にとりやすい食材に多く含まれているのも嬉しいポイントですね。
アミノ酸の一種であるGABAを摂取すると、リラックス効果が期待できることはよく知られています。GABAは、不安や緊張などの精神的なストレスを軽減するといわれています。
また、夜の寝つきをスムーズにする働きもあるため、ストレスでなかなか眠れない時におすすめです。
GABAは、玄米や漬物、キムチ、味噌汁などに含まれています。
最近では、GABAが配合されているチョコレートやドリンクもよく見かけます。間食や寝る前に手軽に摂取したい時に向いていますよ。
ストレスを感じた時は身体に必要な栄養素を補給して、心と身体を健康な状態に保ちましょう。
(フリーランス管理栄養士 今井 尚美)
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【参考】
※ストレスと食生活 – 厚生労働省
※トリプトファン – わかさ生活
※睡眠と生活リズム ~ストレス解消法~ – 日本成人病予防協会
※GABA(ギャバ) – わかさ生活