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暑熱順化とは?暑さに負けない身体づくり 本格的に暑くなる前に行う熱中症対策

  • 2024年5月30日
  • tenki.jp

本格的な夏を前に、既に最高気温30℃以上の真夏日の所も。まだ体が暑さに慣れていないこの時期から、「暑熱順化(しょねつじゅんか)」することが大切です。今回は、暑熱順化とはどういうことか、またその方法や熱中症対策、今年の暑さの傾向などについてお伝えします。

5月から高まる熱中症リスク

6月に入り、最高気温が25℃以上の夏日や30℃以上の真夏日になる所も徐々に増えてきました。また日々の寒暖差や朝と日中との寒暖差が大きい日があり、急激な気温の変化に体が慣れず体調を崩してしまう方もいらっしゃるかもしれません。

総務省消防庁の調査によると、昨年(令和5年)の熱中症による症状で救急搬送された人の数は、5月から7月、そして9月はそれぞれの月で過去2番目に多くなりました。また今年(令和6年)4月29日〜5月5日の期間に、すでに664人(速報値)の方が、熱中症による症状で救急搬送されています。まだ暑さに慣れていない5月から徐々に熱中症のリスクが高まっていますので、注意が必要です。

参考:総務省消防庁(救急搬送状況)
https://www.fdma.go.jp/disaster/heatstroke/post3.html


暑熱順化とは?

熱中症対策の一つとして「暑熱順化(しょねつじゅんか)」があります。「暑熱順化」とは、体が暑さに慣れることを言います。本格的に暑くなる時期から、だんだんと体を暑さに慣れさせること、つまり「暑熱順化」することによって、熱中症のリスクの高い環境にさらされても熱中症になりにくくなるのです。

暑熱順化の方法

暑熱順化のためには、実際に気温が上がり、熱中症の危険が高まる前に、無理のない範囲で汗をかくことです。

例えば、ウォーキングやジョギング、筋トレやストレッチ、また少し遠い所まで自転車でサイクリングしながら買い物に行ったり、また通勤の際に普段電車を利用する方は自転車に変えてみたりして、適度に汗をかくような動きや活動を取り入れると良いでしょう。

また汗をかいたり、体内の発汗作用を高めるのも大切です。入浴の際、シャワーだけという方は、2日に1回は湯船につかって汗をかくようにするのは有効です。
スーパー銭湯などの温泉施設では、ぬるいお風呂や熱いお風呂など様々なお風呂が用意されているので、ぬるいお風呂から徐々に熱いお風呂に入ったりして、発汗作用を高めるのも良さそうです。日常生活に負担のない運動や習慣を取り入れて、無理なく適度に汗をかくようにしましょう。

暑熱順化には個人差がありますが、数日から2週間程度かかりますので、本格的な暑さがやってくる前に、今のうちから早め早めに体を暑さに慣れさせておくことが大切です。

暑熱順化ができているとどういう効果がある?

暑熱順化には個人差もありますが、数日から2週間程度かかります。暑熱順化ができていると、低い体温でも汗をかきやすくなり、発汗しやすくなります。これは皮膚の表面から汗が気化したり蒸発したりして、気化熱が奪われ、体温が上がりにくくなるためです。これにより、熱中症のリスクが低下するのです。

さまざまな熱中症対策

ただ、暑熱順化ができたとしても、やはり暑い日には熱中症対策は欠かせません。いくつかオススメの熱中症対策方法をお伝えしましょう。

① まずは水分補給です。いつでもすぐに水分補給ができるように、ペットボトルや水筒に入った飲み物(水やスポーツドリンクなど)を用意して、すぐ水分補給ができるようにしましょう。喉が渇く前に水分補給をすることも大切です。また、大量の汗をかいた際など、塩分が入った飴や塩分タブレットなども、手軽に塩分を補給できるので、バッグに常備しておくと良いでしょう。

② また日傘や帽子で、日差しの暑さを遮ることも効果的です。晴れた日は、地面に近い所ほど気温が高くなるため、背の低いお子さんは大人よりも暑さを感じやすくなります。また、帽子をかぶることで、熱中症対策だけでなく、紫外線対策にも効果的です。ただ、帽子をかぶったままだと熱がこもりやすくなりますので、帽子は時々はずして汗を蒸発させましょう。さらに、海岸や広い公園など日陰のない所でレジャーを楽しむ際には、簡易式の日よけテントがあると便利です。

③ 扇子やうちわ、また最近人気の携帯扇風機もオススメです。電池式や充電式で、外出先でも涼しい風を送って体を冷やすことができます。

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