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2024年地球から最も遠い満月「スノームーン」 名前の由来や特徴について紹介

  • 2024年2月22日
  • tenki.jp

約29.5日のサイクルで見られる満月に、それぞれ名前がついていることをご存知でしょうか。

2月の満月は、アメリカの農事暦で「スノームーン」と呼ばれています。寒い冬の時期にぴったりの美しい響きですよね。実は2024年のスノームーンには、地球からの見え方にも特徴があります。

この記事では、スノームーンという名前の由来や観測できる日時、2024年のスノームーンならではの特徴について紹介します。ほかの月の満月の呼び名や冬の天体観測の注意点も解説するので、ぜひ参考にしてください。

スノームーンとはどんな月?名前の意味や由来について解説

スノームーンとは、2月の満月のことです。

アメリカの農事暦では、月ごとの満月にそれぞれ名前がつけられています。スノームーン以外の満月の名称には、ピンクムーン(シバザクラが咲く時期の4月)、ストロベリームーン(イチゴが実る時期の6月)などがあります。

これらの名称は、アメリカ先住民が満月に独自の名前をつけることで季節の移り変わりを捉えていた伝統に由来するものです。また、それぞれの満月名は、その月の満月を含む1か月の呼称にも用いられていたとされます。

2月の満月が「スノームーン」と呼ばれるようになった理由には、アメリカの地域や気候条件によっては、一年で最も雪の多い月のひとつが2月であったことが挙げられます。この条件は、アメリカ東部および中部のオハイオ川渓谷全域、太平洋岸北西部の沿岸地域に特に当てはまるそうです。

また真冬には、収穫する植物や新たに開花する植物、活発に活動する動物も少なくなります。時期的な事情として雪以外の際立った特徴が見つからなかったことも、スノームーンという名称に繋がった一因ではないか、という見立てもあります。

同じアメリカでも、気候の異なる地域ではスノームーンではない別の名称も存在します。たとえば2月下旬から気温が上がり始める南部平原のコマンチ族は、2月の月を春の兆しの可能性を表す「みぞれ月」、サウスカロライナ州のカトーバ族は、待ち望んでいた春の最初の兆しにちなんで「ファーストフラワームーン」と呼ぶそうです。

どの名称からも、春を心待ちにする先住民の想いが伝わってくるようですね。


2024年のスノームーンはいつ?「最も小さく見える満月」を観測しよう

国立天文台の暦要項(朔弦望)によると、2024年の満月(スノームーン)は2月24日(土)午後9時30分の予想です。また2月の満月は、2024年のなかでも「地球から最も遠い位置で起こる満月」となります。地球から観測したときに最も小さく見える満月は、「マイクロムーン」や「ミニマムーン(ミニマムムーン)」とも呼ばれています。

地球の周りを公転する月の軌道は楕円形であることから、地球と月との距離は常に一定というわけではありません。また、太陽や地球などの重力を受けて変化するなど、月の軌道にも複雑な仕組みが働きます。そのため、1公転のなかで地球と月が最近・最遠となる距離も変化します。

2024年の満月(スノームーン)は、2月24日(土)午後9時30分に起こりますが、遠地点(1公転の間で月が地球から最も遠ざかる点のこと)を通過するのは翌日25日(日)の午後11時59分です。満月のときの地心距離(地球の中心と月の中心の距離)は、約40万6,000kmとなります。

ちなみに、2024年で地球に最も近い位置で起こる満月となるのは10月です。2024年10月の満月における地球からの地心距離は、約35万7,000kmです。2月のスノームーンと比べると約5万kmもの違いがあることがわかります。面積でいえば、約22パーセントの差です。

2つの満月を夜空で見比べることはできないため、月を眺めただけで大きさや明るさの違いを実感することは難しいかもしれません。とはいっても、「2024年のなかで地球から最も遠い位置の満月」というのは特別感がありますよね。

週末の夜は、じっくりとスノームーンの観測を楽しんでみてはいかがでしょうか。観測にあたっては、天気予報や星空指数も参考にしてみてください。

スノームーン以外の満月名は?2024年の満月日時もまとめて紹介

アメリカの農事暦による各月の満月の名称と、2024年の満月日時を紹介します。

1月 ウルフムーン 1月26日 午前2時54分
2月 スノームーン 2月24日 午後9時30分
3月 ワームムーン 3月25日 午後4時
4月 ピンクムーン 4月24日 午前8時49分
5月 フラワームーン 5月23日 午後10時53分
6月 ストロベリームーン 6月22日 午前10時8分
7月 バックムーン 7月21日 午後7時17分
8月 スタージョンムーン 8月20日 午前3時26分
9月 ハーベストムーン 9月18日 午前11時34分
10月 ハンターズムーン 10月17日 午後8時26分
11月 ビーバームーン 11月16日 午前6時29分
12月 コールドムーン 12月15日 午後6時2分

動物や気候、植物など、バリエーションが豊富です。2月のスノームーンは、日本の気候ともマッチしやすい名称ですね。

満月を見上げながら、遠い地で暮らす先住民が見出した季節の変化に想いを馳せてみるのも、粋な過ごし方といえそうです。

スノームーンの観測前に要チェック!冬の天体観測の注意ポイント

冬の空気は澄んで見えますよね。そんな冬に、天体観測を楽しみたくなる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

空気の透明度には空気中の水分量が関係しており、水分量が少なくなるほど空気が澄んで見えます。一般的に、冬は夏に比べて空気中の水分量が少なくなるため、空気の透明度が増すのです。

ただし気温が低いため、冬の天体観測には防寒対策が必要になります。天気予報をしっかりチェックし、必要に応じてマフラー・帽子・手袋・耳当て・カイロといった防寒アイテムも活用しましょう。

スノームーンは、肉眼でも観察可能です。より鮮明に観察するため、双眼鏡や望遠鏡を使ってもよいでしょう。双眼鏡は三脚に固定することで手ぶれがなくなり、快適に観察しやすくなります。

ただし、月面に太陽の光が正面からあたっている満月の場合、クレーターの凹凸を鮮明に見ることは難しいでしょう。また、望遠鏡で満月を見るとまぶし過ぎるときは、長時間の観察を控えたり、製品オプションのムーンフィルターを併用したりすることをおすすめします。

2024年で最も小さく見える満月「スノームーン」の観測を楽しもう!

2月の満月は、アメリカの農事暦でスノームーンと呼ばれています。2024年のスノームーン(満月)が観測できるのは、2月24日(土)午後9時30分の予想です。

また2月の満月は、2024年における「地球から最も遠い位置の満月」となります。観測時は、大きさにも注目してみましょう。

天体観測の際は、天気予報や星空指数も参考にしてみてください。冬の夜の天体観測となるので、冷え込みにも注意が必要です。暖かい格好で、スノームーンの観測をゆっくり楽しんでくださいね。

参考:国立天文台

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