
ウールなどの厚地のダーツを片方に倒してアイロンをかけると布の厚みでおもて側にひびいてしまいます。切って開いてアイロンをかけることで、ダーツの布の厚みをなるべく減らしてあげる方法を紹介します。洋服や小物の、裏地がある場合に使えます!
やり方
ダーツは、ウエストやバストなど、洋服を体にフィットさせたり、丸みをもたせたりするために、布をつまんで縫うことです。
今回ご紹介する方法は厚地の布で、裏地が付いているデザインによく使われます。
厚地の場合はダーツを片側に倒すと、布の厚みでおもて側にひびいてしまいます。
縫い代を切り開くことで、ダーツの布の厚みをなるべく減らしてあげるのが、いまからご紹介していく方法です。
こちらのウール地のダーツにアイロンをかけていきます。
アイロンの温度は素材に合わせて選びます。
まずはじめに縫い目を整えます

縫い目に沿うようにアイロンをかけていきます。
本来なら当て布が必要な布地ですが、この部分は裏地がついて完全に隠れてしまうので、当て布は必要ありません。
このアイロンをすることで縫い目をまっすぐにしたり、布が糸で波打ってしまったりするのを整えます。
このひと手間がとても大切です。
折山部分、ダーツ先から1/3くらいの位置に切り込みを入れます。
ミシンの縫い目まで切らないように注意しましょう。
次に今、切り込みを入れたところまで折山を切っていきます

縫い目を開くとアイロンをかける部分が立体になります。
立体なものにアイロンをかけるのに、まんじゅう(プレスボール)があると便利です。
ダーツの丸みに合った部分を探して縫い目を開きます。
布を引っ張って縫い目をしっかり開きます。
ダーツの先からアイロンをかけます

目打ちをダーツの中に入れて縫い目を開くように整えます。
アイロンの先端をダーツの先にあてます。
目打ちを引き抜きながらゆっくり、切り込みまでアイロンをかけます。
目打ちで縫い目をしっかり開いてあげるのがポイントです。
向きを変えます

ダーツの丸みに合った部分を探して縫い目を開きます。
縫い代と布の間に厚紙をはさみます。
厚紙をはさむことでおもて面に布の段差による、「アタリ」ができるのを防ぐことができます。
布を引っ張って縫い目をしっかり開きます。
アイロンの先端を使って縫い目を開きます。
おもてから見て縫い目が開いているか確認をします

開いているのが確認できたら、もう一度、厚紙をはさんで、縫い代までしっかりアイロンをかけます。
仕上げにおもて側からアイロンをかけます

ダーツの丸みに合った部分を探して縫い目を開きます。
おもて側からかける場合は当て布をします。
当て布はデリケートな布地にアイロンをかけるとき、布地が直接アイロンに当たらないようにするための布です。
繊維がつぶれて光ってしまうのを防いでくれます。
当て布は表面に凹凸が少ない、薄いコットン素材のものがおすすめです。
大判のハンカチなどでも良いでしょう。
アイロンの熱が冷めるまでそのまま置いておきます

熱があるうちは形が崩れてしまうので、熱が引くまで待ちましょう。
ダーツにアイロンがかけられました

こまめにアイロンをかけることで、仕上がりに差が出てきますのでぜひ試してみてください。
YouTube動画
こちらで紹介した手順は動画で見ることができます。是非ご覧ください。
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