野菜や植物の栽培に適した土にするのに欠かせないのが、堆肥です。その堆肥を、家庭で簡単に作るための装置「コンポスト」を、ポリバケツを使って手作りしてみましょう。半日でできあがるので、初めての方も是非チャレンジしてみてくださいね!
堆肥作りで大切なのは、生ゴミや野菜クズと発酵促進剤とをよく混ぜること。その作業をしやすくするために回転式にして、底から液肥を取り出せるのがこのコンポストのポイントです。
材料と道具
★必要な作業時間:半日
★予算:10,000円
◆材料
①2×4材 500㎜×4本 150㎜×2本 840㎜×2本
②1/2水道パイプ1m×1本 1/2専用キャップ×2個 1/2ブッシュ×1個
③45リットルポリバケツ×1個
④荷物結束用ゴムバンド1m×1本
◆材料
⑤シンプソン金具一式(ソーホースブラケット)
ネジ30㎜×適宜 コーススレッド65㎜×8本
⑥手すり固定金具(直径25㎜)×4個 ネジ(4×15㎜)×6本 ナット×6個
⑦U字金具(内径25㎜)×2個 ビス25㎜×4個
⑧塩ビ管VP16 300㎜×1本 水栓エルボ×1本 キャップ1本
⑨塩ビ管用接着剤
⑩バスコーク(充てん補修剤)
⑪水性塗料(グラスグリーン)
⑫発酵促進剤
◆道具
糸ノコ/モンキーレンチ/電動ドライバードリル(鉄工キリ5㎜)/
メジャー/マジックペン/カッターナイフ/ドライバー/ビニール手袋/
養生シート(新聞紙)/ハケ/レンチ
手順
■脚部を組み立てます
↓
■ポリバケツを加工します
↓
■バケツに水道パイプを通します
↓
■バケツを脚部にのせます
展開図
◆コンポストのしくみ
コンポストとは、そもそもは生ゴミや野菜クズなどを堆肥化(有機質肥料化)したもののことですが、現在では肥料化するための装置そのものを指すことが多いようです。
堆肥は、植物性の素材を堆積して微生物(菌)の働きで自然発酵させ、害虫や病原菌を死滅させて悪臭を除去したもの。堆肥を投入することによって、植物の育成に適した土作りができます。
また、堆肥作りの過程で生まれる液体も、「液肥(液体状肥料)」として、土壌だけでなく植物の葉に散布しても効果があります。
作り方
01 脚板に金具を取り付けます
2×4材の片方の脚板(500㎜)に、ネジでシンプソン金具を取り付けます。
02 脚板をハの字に組み立てます
もう片方の脚板をシンプソン金具に取り付け、ハの字になるように組み立てます。
03 金具の上に台板をのせます
シンプソン金具の上に2×4材の台板(150㎜)をのせます。
04 台板を固定します
シンプソン金具の上にのせた台板を、両側から2ヵ所ずつネジで固定します。
05 左右の脚の完成です
左右の脚が完成しました。ネジの打ちもれがないかをしっかりと確認しましょう。
06 横板で左右の脚をつなぎます
2×4材(840㎜)2本を横板にして、左右の脚の下部分をつなぎます。
07 横板はしっかり固定します
横板は、コーススレッド(65㎜)を1ヵ所に2本ずつ打ち込んでしっかり固定します。
08 U字金具を取り付けます
台板の左右中心の位置に、U字金具をビスで取り付けます。
09 脚部が完成です
回転式コンポストをのせるための脚部が完成しました。
10 ポリバケツの位置を確認します
両脚の間にポリバケツを持って立ち、どのくらいの高さに取り付けたらよいかを確認します。
11 穴をあける位置を測ります
ポリバケツの全長を測り、中心より30㎜上に十字印を付けます。反対側も正確に。
12 水道パイプの太さの径を描きます
十字の印の上に、中心を合わせて水道パイプを当て、フチに沿って線を描きます。
13 ドリルで穴をあけます
線の内側に沿ってドリルで穴をあけます。刃は鉄工キリ5㎜を使います。
14 穴を切り抜きます
ドリルであけた穴の外側に沿ってカッターで切り込みを入れ、穴を抜きます。
15 手すり固定金具を当てます
切り抜いた穴の上に、手すり固定金具を当て、穴と金具の中心を合わせます。
16 ネジ穴に印を付け穴あけします
固定金具のネジ穴に印を付け、電動ドライバードリルで穴をあけます。
17 バケツの内側からネジを通します
バケツの内側に固定金具を当て、ネジ穴にネジを通してネジの先を外に出します。
18 ナットをネジに回し入れます
ネジの先を外側の固定金具のネジ穴に通し、レンチでナットを回し入れます。
19 固定金具をしっかり取り付けます
レンチでナットをはさみ、内側からドライバーでネジをしめて金具を固定します。
20 パイプを通す穴の加工が終了
反対の穴にも同じ方法で固定金具を取り付けます。穴の位置がずれると水道パイプが通らないので正確に。
21 バケツの底に印を付けます
バケツの底の平らな箇所に塩ビ管を当て、そのフチをなぞって印を付けます。
22 バケツの底に穴をあけます
13~14と同じ方法でカッターで切り抜きバケツの底に穴をあけます。
23 ブッシュとエルボを取り付けます
ブッシュと水栓エルボで液肥取り出し口を作ります。
24 水栓エルボを固定します
バケツの内側からブッシュを外に通し、そこに水栓エルボを回して固定します。
25 塩ビ管を切ります
300㎜の塩ビ管を、糸ノコを使って150㎜の長さに切ります。
26 塩ビ管に接着剤を塗ります
切った塩ビ管とエルボの内側に、塩ビ管専用の接着剤を塗ります。
27 塩ビ管を水栓エルボに差します
接着剤が乾かないうちに、塩ビ管を水栓エルボにしっかり差し、固定します。
28 キャップをはめます
バケツの底の塩ビ管から液肥(抽出液)を取り出す時以外は、先端にキャップをはめておきます。
29 充てん補修剤をしぼり出します
ビニール手袋をはめて、指先に充てん補修剤(バスコーク)をしぼり出します。
30 充てん補修剤で穴を埋めます
液肥もれを防ぐために、穴の周囲を内側から充てん補修剤で埋めます。
31 水道パイプを通します
脚部のU字金具に水道パイプを差し込んでからバケツの2つの穴に通します。
32 両端の長さを同じにします
水道パイプを、もう片方の脚部のU字金具に通し、両脇の長さを同じにします。
33 両端にキャップをはめます
水道パイプがずれて脚部から抜け落ちないように、両端にキャップをはめます。
34 バケツにゴムバンドを巻きます
回転させたときフタが落ちないように、荷物結束用ゴムバンドを巻きます。
35 脚部に色を塗ります
脚部に好きな色を塗れば、ポリバケツを使った回転式コンポストの完成です。
完成!
※コンポストが風で倒れないように、設置場所に注意しましょう。
手作りコンポストで堆肥を作ってみよう
コンポストといえば土に埋める市販のタイプがよく使われていますが、発泡スチロールや段ボールの箱を使って手作りすることもできます。
ここでは回転式コンポストでの堆肥の作り方を紹介しましょう。
いずれの場合も、家庭の生ゴミや野菜クズと発酵促進材をよく混ぜることが大切なことに変わりありません。
01 生ゴミをコンポストに入れます
生ゴミや野菜クズはできるだけ細かくしてコンポストに入れます。
02 市販の発酵促進材を入れます
発酵を促すために、市販の発酵促進材(発酵菌資材)を入れます。
03 ゴムバンドでフタを押さえます
密封させるために、荷物結束用ゴムバンドを巻いてフタを押さえます。
04 コンポストを回転させます
コンポストを回転させて中身をよく混ぜます。短期間で堆肥の出来上がりです。
液肥もできる!
液肥取り出し口のキャップを外して、ペットボトルなどで液肥を受けます。
DIYレシピをもっと見たい方におすすめ!
「DIYの手作りガーデンBOOK」では、今回紹介したレシピ以外にもたくさんのDIYレシピをわかりやすく丁寧に紹介しております。