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写真家のハービー・山口さんの写真展が5月31日、「CIENTO gallery(シエントギャラリー)」(弘前市土手町)で始まった。(弘前経済新聞)
寺山修司の笑顔が印象的なプリントを手にするハービーさん
写真家のハービーさんは、桑田佳祐さんや中山美穂さん、福山雅治さんら国内外の著名アーティストとの作品を多数手がけながら、常に市井(しせい)の人々にカメラを向け続けている。日本写真芸術専門学校校長。
津軽地方で初開催となるハービーさんの展示では、代表作の「代官山17番地」から27点を並べた。同作は、再開発のため1996(平成8)年に解体された同潤会代官山アパート(東京都渋谷区)を撮影した。国内で最初期に建てられた鉄筋コンクリート造集合住宅に集まる人々を記録した。
同日に開かれたオープニングレセプションでは、ハービーさんが、青森出身の劇作家・寺山修司やアイルトン・セナ、ダイアナ元皇太子妃、尾崎豊を撮影したプリントを手に秘話を紹介。寺山の写真は海外に同行した際のリラックスした表情を捉えた。寺山に「役者が純粋な演技を見せるのはリハーサル。本番は必ず観覧客への意識が出てしまう。プロはそれを隠してみせるが、顔の筋肉の1本か2本の差に表れる」と説かれたという。ハービーさんは「鑑識眼の鋭さに気おくれしたというが『君の写真にはちゃんとその差が映っているじゃないか。だから撮らせているんだ』と言われた。僕にとって最高の褒め言葉だった」と振り返る。
ハービーさんが「代官山17番地」を展示した理由は、古い建造物が現存する弘前の魅力に気付いてもらいたい意図があるという。「同潤会アパートのような古い建物がなくなり、東京はつまらなくなった。昔の風情が身近にそのまま残っていることは財産。弘前には世界に誇れるすごいものがあって、それを残していくこと、生かすことを考えている」とハービーさん。
5月31日と6月1日は、弘前の中心街で歴史的建造物と街の人々を撮影する。ハービーさんによると、将来的には弘前を切り取った作品で国内外での展示や写真集の制作する構想もあるという。
開催時間は13時~18時。入場無料。開催日は6月7日・8日・14日・15日・21日・22日・28日・29日。そのほか6月中は1階の服飾店「CIENTO(シエント)」の営業時であれば開廊に応じる。