サイト内
ウェブ

Vol.40 アウトドアでのファーストエイド(応急処置)

  • 2008年8月7日

−安全なキャンプのためにpart9より

自然の中で活動する野外活動は、けがや病気の発生が日常より多くなると考えられます。しかし、野外活動のフィールドは町から遠く離れたところにあり、救急車がくるのに時間がかかったり、現場まで入れないときもあります。
そんなときこそより早い適切な処置が必要なのです。指導者はもちろん、家族で出かけるときも保護者がしっかりその方法をマスターしておくことが、安全なアウトドアライフを支えます。 

●応急手当の基本

応急手当 「急いで処置をしなければならないときは多くない」
たくさんある症状の中で、一刻も早く処置をしないと生命に危険が迫るのは、
 (1)心肺停止
 (2)意識障害
 (3)大きな出血
 (4)ひどい火傷 などです。
その他の場合はむやみにあわてることなく、落ち着いて正確な処置をしましょう。
(これらの具体的な処置の方法は、今回は割愛します)

●傷

傷口の汚れを洗う <切り傷・すり傷>
どんなに小さな傷でも手当てが悪いと細菌感染を起こすことがあります。傷口を水道水で洗い、出血があるかないかを確認し、症状にあった手当をしましょう。
(1)傷口の汚れを洗う
(2)出血した場合は圧迫止血を行う
 出血がある場合は清潔なガーゼ類で傷口を洗い、手や指で押さえ、出血が止まるまで圧迫します。患部を心臓より高くあげてください。
 (出血が止まらないときは速やかに病院へ行き、診察を受けましょう)
 
ガーゼを当て包帯をする (3)消毒後、ガーゼを当て包帯をする
 消毒をしたあと、ガーゼを傷口にあてて包帯をします。消毒液がない場合は絆創膏を貼っても良いですが、蒸れて治りが遅くなるので、早めに外すようにしましょう。
(傷口を不潔な手で触らないようにしましょう。傷口にティッシュや脱脂綿をあてないようにしましょう)

 


<くぎ・とげが刺さったとき>

 

とげ抜き (1)くぎ
くぎを抜いたあと消毒し、清潔なガーゼ類で傷口をおおい、病院へ行きます。
後に化膿することもあるので、小さな傷でも診察を受けましょう
(2)とげ
ピンセットや毛抜き、消毒した針などで抜き取ります。抜きにくい時は穴の空いた硬貨(5円玉など)をあて、硬貨を押しながら抜くと、比較的簡単に抜けます。



<鼻血が出たとき>

顔を横に向けて横になる 鼻血がすぐ止まるときは心配いりません。安静にして様子を見ます。
(1)安静にする
・落ち着かせ、頭をやや前にかがめて座らせる。横になりたいなら顔を横に向け、頭をできるだけ高くします。
・首を締め付けている衣服はゆるめましょう
(2)すみやかに止血する
・頭を少し前に傾け、鼻の付け根をぎゅっと押さえて圧迫します
・そのまま10分間我慢します。軽い鼻血ならこれで止まるでしょう
・ぬれタオルや氷嚢で鼻の付け根を冷やしても効果があります
・脱脂綿やティッシュを使う場合は奥まで詰めないで流れる鼻血を押さえる程度にしましょう
※頭を後ろにそらせ、うなじをたたいたりすると、血液がのどに流れて呼吸できなくなる恐れがありますのでやめましょう



●やけど

水で冷やす
タオルで冷やす
キャンプでは、たき火や料理、花火などでのやけどが多く見受けられます。対象のものやふれている時間などで、対応が変わりますが、まずは冷却することが第一です。その部分の痛みが和らぐまで続けることが大切です。

<対処法>
(1)水で冷やすのがいちばん
(2)水ぶくれはつぶさない
(3)顔面をやけどしたら迷わず病院へ行きましょう
 目鼻など流水で冷やせない場合は、氷嚢や濡らしたタオルで冷やします。
(4)衣服の上からお湯等でやけど
 衣服を脱がさずに衣類の上から冷やします。衣服が付着しているときは無理にはがさずにそのまま病院へ行きましょう。無理にはがすと細菌感染のおそれがあります。
(5)全身やけどしたら迷わず救急車を呼びましょう
 シャワーなどの流水で患部を冷やし、すぐに救急車を呼んでください。程度が低くても面積が広い場合は命に関わる恐れがあります。 (6)民間療法はやめましょう
 みそ、アロエ、チンク油などは絶対にぬらないようにしましょう。



●虫さされ

ブヨやアブなどの虫さされは、ポイズンリムーバー(毒吸い出し器)などで毒を吸いだし、水で洗い流して軟膏を塗ります。腫れが何日も引かなかったり、熱が上がるような場合は病院に行きましょう。
毒を吸いだす   水で洗い流す



「安全なキャンプのためにpart9」表紙 今回ご紹介した内容は「安全なキャンプのためにpart9」に収録した一部です。日本キャンプ協会ホームページで無料でダウンロードが可能です。また冊子は無料で配布(送料のみ負担)していますので、入手を希望の方は日本キャンプ協会までご請求ください。
e-mail:web@camping.or.jp

(イラスト 片山海里)

今回の執筆者:社団法人日本キャンプ協会安全委員会

キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。

掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。