ちょっとフォーマルな食事の席での所作、冠婚葬祭などで交わす会話の言葉選び、お客さんとしてお呼ばれしたお宅での過ごし方…。
生活の何気ないシーンでも、大人のマナーをさらっとこなせたら素敵ですよね。
TPOにあわせたマナーは千差万別。何が正解なの?と迷ったことも多いのではないでしょうか。
今回は知っているようで知らない、大人のキホンのマナーをご紹介します。
箸をひっくり返して料理を取らない
大皿から料理を取り分けるときに、箸をひっくり返して取る。一度口に入れた箸先を料理に触れさせないので、マナーにかなった方法にも思えますが、やってはいけません。手皿と同じように、料理に触れた反対側はどうするの? という問題が残ります。汚れたままで食べ続けても、何かで箸を拭いても見苦しいですよね。
大皿料理には取り分け用の箸が添えられることも多いですから、その箸を使いましょう。もし取り箸がなければ、お店の方にリクエストしてもいいですし、割り箸が置いてあるお店なら、取り分け用のものを作って自分が使ったあとは料理の横に添えておけば、ほかの方も使えます。取り箸が用意できない場合は、「直箸で失礼します」と断ってから、自分の箸で取ります。
作=岩下宣子
【著者プロフィール】
岩下宣子
「現代礼法研究所」主宰。NPOマナー教育サポート協会理事・相談役。30歳からマナーの勉強を始め、全日本作法会の故・内田宗輝氏、小笠原流・故小笠原清信氏のもとでマナーや作法を学ぶ。現在はマナーデザイナーとして、企業、学校、公共団体などで指導や研修、講演会を行う。近著に『相手のことを思いやるちょっとした心くばり』(三笠書房)がある。
※本記事は岩下宣子著の書籍『40歳までに知らないと恥をかく できる大人のマナー260』から一部抜粋・編集しました