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シングル子連れでパリに移住し、店をオープン。夢をかなえた女性から学ぶ仕事のヒント

  • 2023年12月5日
  • レタスクラブニュース



「世界を旅しながら仕事をしたい!」――そんな、コロナ禍だったら無理!と諦めていた夢も、今からなら叶えられるかもしれません。

既に何年もそうした仕事に就いている“成功者”であるバイヤーやコーディネーターが多く登場する紀行番組「世界はほしいモノにあふれてる」(NHK総合)には、仕事にまつわるヒントがいっぱい。番組は“せかほし” の愛称でも親しまれていますよね。

今回は、番組放送時と現在の生活ががらりと変わった空間デザイナーの坂田夏水さんを紹介します。DIYで部屋を改装する達人で、DIY女子のカリスマとも言われた坂田さん。2021年1月の“せかほし”放送当時は東京で物件内装やプロデュースの傍ら、自らが運営するインテリアショップ「Decor Interior Tokyo」のため、イタリアやフランスの職人たちとコラボレーションしたインテリアグッズを販売していましたが、2022年、パリに居を移し、日本の建材やインテリアに関連する工芸品を販売するショップ「菩藍堂BOLANDO」をオープンさせました。

東京からパリへ、華麗なる転身を遂げた坂田さんに、仕事の成功の秘訣を聞きました。


「せかほし」OA時から生活一転。東京→パリへ移住する


――番組では、イタリアのハンドプリントのファブリックブランド「ベルトッツィ」とコラボした襖紙をプロデュースするなど、在京時から海外との協業に積極的でしたね。放送後の反響はいかがでしたか?

「すごく良かったです。ベルトッツィとの襖紙は私たちの主力商品の襖紙に比べるとだいぶ高額商品になるのに、『テレビで見たから欲しいです』って問い合わせが結構多くて。私がパリに来てからは在庫が全部パリにあるので、日本への送料はお客様もちなのですが、今、パリにいるからパリで受け取りますって、パリのお店に取りに来てくれたお客様もいらっしゃいました」


――パリにお店を構えるようになったきっかけは?

「元々、フランスにはいつか移住してみたいな、とは思っていました。特に子どもの教育を考えた時、受験戦争のレールに乗せるのも違うなぁと。でもシングルで子連れ海外移住はハードルが高いな、と思っていた時に、再婚した今の夫(フランス人)が、連れて行ってあげるよって言うものだから、これはもう乗るしかない、と」

――開店までの道のりもだいぶご苦労されたようですね。

「フランスへの移住は家探しからだいぶ難航しました。日本で会社経営をして決算書が出せても、フランスで働いた収入証明がないと、貸し手の大家さんに弾かれてしまうんです。結局夫の両親の知人を介してなんとか契約できました。
店のほうも、日本にいる間にエリアの選定をし、C to C(不動産屋が仲介しない取引)物件検索サイトで店舗物件を見つけ、フランスの弁護士をつけて契約。工事業者とも契約し、リモートで何度も打ち合わせを経て図面も確認したのですが、渡仏後に『工事は工程通りに進まない。3ヶ月遅れるよ』と言われて、これがフランスかとびっくりしました。結局、最低限の工事だけはやってもらい、壁や天井の塗装、什器の組み立てや壁紙貼りは自らDIYで行いました。私のDIY技術は、この時のために訓練されたのかと思うほど役に立ちました(笑)」


――お店「BOLANDO」は、サンジェルマン・デ・プレ地区で、畳や和紙、襖など日本の内装建材やインテリア装飾品を取り扱っていますね。現地の人に人気のジャポネスクで、という勝算はどのくらいあったのでしょうか?

「パリで行われる世界最大規模のインテリアの展示会『メゾン・エ・オブジェ』に出展したとき、高い評価を得たというのもあります。でも本音を言うと逆に、日本の和紙や襖など、和の建材や和室の文化を日本国内で復興させたいという思いが根底にあるんです。そのためには、『こういう和建材が海外で売れています、海外で評価されました』と言う実績が欲しいんです。実際、東京のお店でも、『メゾン・エ・オブジェで評価された』と言って初めて、襖紙が売れるようになったので」

古き良きモノを長く使うという文化を大切にしたい


――そこまで「和の復興」を願われるようになったのにはきっかけがありますか?

「古き良きモノを長く使うという文化が好きなのです。それはフランス人にも共通する志向ですが、いまの日本では、例えば私が賃貸マンションのリノベーションを手掛けると、大家さんの意向で『和室では借り手がつきにくいので、潰して洋室に』というオーダーを何件も受けました。そのたびに、和室を残せていたら、という思いが強まりました。だからこうしてフランスにまで来て和建材の普及活動をしているのは、業界にいる者としての責任。もうお金とか関係なく、言ってみれば罪滅ぼしみたいなものなんです。同業者で、同じように活動してくれる人が増えればいいな、とも願っています」

* * *

「海外で仕事をしたい!」が先にあるのではなく、本当に好きなモノを追求していった結果に、海外での仕事の道が開けることもある、と実感させられるお話でした。



これからの時代の「ワタシと仕事」を考えるうえで、ヒントにしてみては?

取材・文=magbug 写真協力=夏水組



坂田夏水
1980年福岡県生まれ。武蔵野美術大学建築学科卒。設計事務所、工務店、不動産会社を経て、2008年、内装デザインの会社、夏水組設立。2013年にDecor Interior Tokyoの前身となるDIYショップをオープンし、2016年にDecor Interior Tokyoを始める。3社の代表で二児の母。2022年渡仏、パリ6区サンジェルマン・デ・プレにて菩藍堂(ぼらんどう)をオープンした。
・オンラインショップ「MATERIAL」

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