2023年1月に第一子を出産したかちょこさん。
計画分娩で予定していた日に入院をしたものの痛みがほとんど強くならず、一時帰宅することになったかちょこさんは、ご主人とゆったりと2日を過ごし再入院。2度目の入院で、いよいよ陣痛も本格的に!ピークの時のかちょこさんの様子は…
生まれる赤ちゃんの数だけある出産のエピソード。SNSで見たり、プレママ友やママ友から話を聞いたりしたとき、なんとなく気になることがあったりしませんか?
妊婦さんが少しでも快適なマタニティ生活を送れるよう、かちょこさんに今回の出産時の経験を共有していただき、女性医療クリニックLUNA横浜元町の副院長である小野寺真奈美先生に出産にまつわる疑問点を教えていただきました。
■本格的な陣痛にいよいよ突入。高位破水はあったけれど、まだまだ?!
一時帰宅から、予定通り再び病院へやってきたかちょこさん。子宮口は縮んでいたものの、赤ちゃんは少しずつ下りてきていたようで、「頭にもう触れる」と聞き、俄然やる気に。
前回とは明らかに異なるお腹の張りと痛みを感じるようになり、次第に痛みは1~2分間隔に。痛みの度にかちょこさんはとにかく呼吸に集中。しかし吐く息とともに「ア゛あ゛ア゛あ゛……」とつい呻き声が…。
かちょこさん「陣痛促進剤が継続されていたので、一気に大波が来ちゃったのかもしれないです。とにかく深い呼吸を止めずに痛みに真っ向勝負でした」
陣痛中の妊婦さんが描いた「赤富士」をもらうと、子宝祈願や安産祈願になるというジンクスを聞いたことはありませんか?実はかちょこさんも陣痛中に挑戦しようとしていたそうなのですが…「そんな余裕、ミジンコ程もありませんでした」と、かちょこさん。辛すぎる陣痛中、赤富士を描くことはもとより、スマホすら触ることもできなかったそうです。
絶え間なく繰り返す陣痛をなんとか耐えていたかちょこさん。何度目かの痛みの山がおとずれた瞬間、左の脇腹あたりからポフッという音がし、破水。陣痛は進んでいたものの、チョロチョロとした高位破水でした。
子宮口はいよいよ9cm。
その後も「(陣痛の波が)くるくる」「(陣痛が)キター」を繰り返します。
3回の深い呼吸で痛みは去っていくものの、10回の浅い呼吸で再びやってくる痛み。まるでそれは発作のように感じたそうです。
かちょこさん「足元が冷えるとお産が進み辛いと助産師さんが言っていて、入院の際に靴下を用意しておけばよかったと思いました。陣痛の割に子宮口の開きに時間かかっていたらしく「この陣痛終わったら靴下履きましょう!」と言われたんですけど、私、素足で履くタイプのムートンモカシンで来ていて靴下を持ってきてなかったんです。助産師さん笑ってました。1月なのに素足て(笑)」
■ついに分娩台へ!──しかし、その前に導尿!
いよいよ分娩台にあがったかちょこさん。息を止めると自然にいきんでしまいそうな状態で、この頃には陣痛は秒単位で押し寄せるように。そんな中でさらに出産の進行に効果的な導尿作業も行われました。「導尿するからいきまないでね」と言われましたが、もういきまずにはいられない状況に我慢することが非常に辛かったそうです。
専門医に聞く「出産」にまつわるギモン
いよいよ本格的な陣痛に突入したかちょこさん。かなりの痛みに耐えていた様子がうかがえます。陣痛について、現在、女性医療クリニックLUNA横浜元町の副院長であり、ご自身も2歳児と0歳児の兄妹を育てる母でもある小野寺真奈美先生にお話を伺ってきました。
──かちょこさんは大分陣痛が辛かったようですが、少しでも楽にする方法などはあるのでしょうか。
小野寺先生「陣痛の痛みは人それぞれですが、腰や骨盤の痛みを訴えられることが多くあります。付き添いの方や助産師さんにテニスボールで圧迫された話を聞きますが、痛みが緩和されることもあるのでいいかと思います。
あとは陣痛の際にいかにリラックスできるかだと思いますので、お気に入りの音楽やアイマスクなど自分に合わせて準備をされてください」。
──陣痛時にかちょこさんは高位破水されたようですが、高位破水とはなんでしょうか?
小野寺先生「高位破水とは、子宮口の高い位置で赤ちゃんの包んでいる膜の一部が少しだけ破れて羊水が少しずつ流出する状態です。量が少ないため、よく尿もれなどと間違われやすいのですが、感染症など赤ちゃんや母体にも影響する可能性があるため、水が出てくる感覚がある場合はかかりつけ医を受診しましょう」。
──かちょこさんは陣痛時の導尿を「地獄以外の何モノでもナイ」と表現していましたが、導尿は何のためにするのでしょうか
小野寺先生「尿をためていると、おなかの赤ちゃんの通る道である産道を圧迫することがあるため、その妨げにならないように導尿をします。痛みや赤ちゃんからの圧迫で自分で排尿できないこともあるのです」。
急にお腹が痛み出した、破水した…など出産のはじまりは人によって異なります。予定日通りにいかないこともほとんどで、読めないからこそ予定日が近くなるにつれ、不安を感じるかもしれません。突然くるその日に少しでも心地よく臨めるよう、出産に関する疑問を解消していきましょう!
かちょこ
23年1月に長男のモー太くんを出産。明るくて豪快な妊娠から育児の記録をインスタグラムで公開中。
取材・文=伊藤延枝
医療監修=女性医療クリニックLUNA横浜元町 副院長 小野寺真奈美先生