カフェ訪問数1300軒超、自宅には数々のコーヒー器具を所有し、バリスタ顔負けの腕前を持つ、お笑いコンビ・コマンダンテの石井輝明さん。芸能界屈指のコーヒー好きとして知られており、コーヒー好き芸人として、さまざまなメディアで活躍中!『JUNON』2月号では、ネクストブレイクイケメン2023にも選ばれました。
そんな大注目のコーヒー芸人・石井さんに、コーヒーの魅力を伺いました。
おいしいコーヒーのある暮らし
――石井さんにとってコーヒーとはどんな存在ですか?
生活の質をグンと上げてくれたのがコーヒーです。まずは嗜好品としての楽しみですね。自分で淹れるコーヒーは、好みの味を追求する楽しみと“淹れる”という体験がセットで味わえます。カフェで飲むコーヒーは、店主さんのこだわりであったり、コーヒーに合うスイーツを堪能できたり、素敵なインテリアを見つけたりと、新しい発見を楽しめます。加えて、メンテナンスとしての役割もあります。朝起きたときは目覚めのため、舞台に出る前は気持ちを落ち着かせるため、寝る前はリラックスするためなど、自分のペースを崩さずノンストレスで生活できているのも、コーヒーのおかげです。
――リモートワークの定着や趣味を充実させたいという理由から、おうちコーヒーの需要は増えているそうです。
自分でコーヒーを淹れるというと、敷居が高く感じる方もいるかもしれません。でも実際は難しい作業はなく、誰でも手軽に始められるんです。あとは何と言っても、香りを堪能できるのがおうちコーヒーのメリット。コーヒー豆は挽きたてが最も香り高くなるので、自分で豆を挽いて抽出することで、より一層おいしい一杯を味わえますよ。
おうちコーヒーをおいしく淹れるコツは、「分量」「温度」「時間」を正確にはかること。まずはレシピを一つ覚えて、その通りに淹れることから始めてみてください。ハンドドリップに慣れてきたら、分量などをアレンジして自分好みの味に寄せていくのがおすすめです。試行錯誤をしながら、ちょっとした変化を楽しんでいくのも、おうちコーヒーの醍醐味だと思います。
――ハンドドリップで使用するコーヒー器具もたくさんお持ちみたいですね。
最初は後輩からプレゼントでもらったコーヒーミル(コーヒー豆を挽く器具)だけしか持っていなかったのですが、自分でコーヒーを淹れることが楽しくなって、アイテムもどんどん増えていきました。とはいえ、まずはハンドドリップに必要な最低限のアイテムだけをそろえればOK。無理して高いアイテムを買う必要はありません。コーヒーを淹れることに慣れてきたら、お気に入りのデザインや使い心地の良いアイテムを見つける楽しさも味わってほしいですね。
知るとおいしくて楽しいコーヒー豆の世界
――おいしいコーヒーを飲むためには、おいしいコーヒー豆が欠かせませんよね。石井さんはどのようにしてコーヒー豆を選んでいますか。
通っているコーヒーショップで購入することが多いですね。普段あまりコーヒーを飲まない方は、コーヒー=苦いものと思い込んでいるかもしれませんが、コーヒー豆の焙煎の度合いや、産地、抽出方法の違いで味わいは大きく異なります。自分の好みの味を見つけるためにも、ぜひ色々な産地の豆を味わってみてください。産地ごとの味わいの特長は本の中でも紹介していますが、コーヒーショップのスタッフの方に直接相談してみるのもおすすめですよ。
僕は最近、ボリビアのゲイシャ種の浅煎り豆を購入したのですが、それがすごくおいしくて。これだけコーヒーを飲んでいても、新しい味わいに出会って感動できるのはとても幸せだなあ、と思いますね。
コーヒー豆の知識が増えると、カフェで何気なく飲んでいるコーヒーも見え方が変わるんです。例えば、この産地の豆をあえて深煎りで使っているんだな、とかそんなことがわかるようになると、お店のこだわりが見えて、いつもの一杯がすごく格別に感じられるかもしれません。
――最後に、メッセージをお願いします。
僕は普段、芸人として毎日のように劇場の舞台に立っています。年間でいうと800〜900回ほど立っている舞台は、コマンダンテの軸となる部分で、すごく大切にしています。そんな毎日に寄り添ってくれるコーヒーという存在も、僕にとってかけがえのないものです。
コーヒーがあったから、つながった縁や、深まった絆がたくさんあります。コーヒーの魅力が一人でも多くの人に伝わって、コーヒーを飲んで「幸せだなあ」と感じてくれたらうれしいですね。
【プロフィール】
石井輝明
1984年生まれ、大阪府出身。吉本興業所属の人気お笑いコンビ、コマンダンテのツッコミ担当。芸能界屈指のコーヒー好きとしても知られ、これまで訪れたカフェは1300店以上。その情報をインスタグラムやブログで発信。オリジナルブレンド監修、イベント開催、自宅には数多のコーヒー器具があり、バリスタ顔負けの腕前を持つ。
取材・文=水野史恵(エディマート)/撮影=藤井大介