新型コロナウイルスの影響でリモートワークやオンラインでのやり取りが一般化し、室内にこもって作業する人、時間が増えています。最初の頃は「家で仕事ができてラク!」「通勤時間がなくなって嬉しい!」という声も多く挙がっていましたが、この体制が長引いていることもあり、今「運動不足になる」という新たな問題が浮上しています。今はネットスーパーも普及しているため、意識して出かけないと「一週間家から出ていない」なんてことも簡単に起きてしまいますよね。
そんな中で今、おうち筋トレの需要が高まっています。でも、自己流でつい張り切って毎日過激な筋トレをしてしまい、結果「オーバーリーチング」と呼ばれる疲労が慢性的に蓄積した状態になってしまう人も。こうなると、筋トレ効果を減少させてしまい、筋肉量が増えづらくなる“筋トレロス”に陥ってしまいます。結果、「イマイチ効果を感じられない」と悩みの種に。
このような「筋トレしても効果に繋がらない」という状況を改善するため、立命館大学スポーツ健康科学部の後藤一成教授、そしてお菓子やプロテインなどで知られる森永製菓の栄養機能研究を務めている山本貴之さんによるオンラインセミナーが開催されました。
セミナーでは、「筋肉痛を感じている状態で筋トレを続けている」「疲労が回復しない」など普段の筋トレ状況について9つの質問を設けたアンケートの結果を公開。
回答者のうち、酸化ストレスが高まり筋肉がつきにくい状況を示す「3つ以上当てはまる」と回答した人が約半数もいました。また、該当数が多ければ多いほど筋肉がつかないと感じている、という結果に。
後藤教授によると、筋トレは「科学的な根拠に基づいた正しいトレーニング」と「運動後における適切な栄養摂取」の2つが合わさって初めて、望ましい効果が得られるのだとか。
筋トレ方法だけでなく、抗酸化機能や免疫力が低下している状態でも筋肉の回復は遅れてしまいます。筋肉痛がなかなか治らない…といった状況に陥る人は、この回復機能の低下を疑った方がいいかもしれません。
筆者のような筋トレ初心者は「とりあえず体を動かせばどうにかなる」と思ってしまいがちですが、筋トレにもきちんとした知識が必要なんですね…。
また、筋トレ後には、食事やプロテイン補助食品でたんぱく質を摂らないと、せっかくのトレーニングが無駄になってしまうそうですが、ここに抗酸化物質の「Eルチン」をプラスすることでより効果を増強させることができると山本さん。
Eルチンは、そばやアスパラに含まれる抗酸化成分を酵素処理したもので、一般的なルチンの45倍も体内利用される吸収されやすい成分です。つまり積極的な運動をしなくても、日常生活を送る中でたんぱく質の吸収を助け、筋合成に効果的に働く可能性があるのだそう。これは嬉しい…!
森永製菓と筑波大学の研究では、プロテインとEルチンを一緒に摂取すると、足の筋肉が平均で930gも増加し、プロテイン単独より約3.6倍も増えたという効果がみられたそうです。
森永製菓では、現在「マッスルフィットプロテイン」という商品にこのEルチンを配合しています。山本さんは、今後もより多くの人が効果的なおうち筋トレを実施できるよう、さまざまな商品開発を進めていきます、と話しました。
まだ当分は続きそうなコロナ禍。心身ともに健康に乗り切るために、適切な体のケアを行ないつつ過ごしたいですね。
文=月乃雫