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またあの3食作る日々がやってくる…迫りくる夏休みにおびえるへとへと母さんを救う『神レシピ』 とは?料理研究家ジョーさん。インタビュー

  • 2020年7月17日
  • レタスクラブニュース


心身ともにへとへとだった長い自粛生活。学校が再開して、生活も少し落ち着きを取り戻してきたと思ったら、早くも迫り来る夏休み!! 家族ぶんの食事を1日3食作り続けた、あの苦行のような日々が再び始まるのかと想像しただけで、どんよりとした気分に襲われます。疲弊しきった自粛期と同じ轍は踏みたくないもの。

そこで、『めんどうなことしないうまさ極みレシピ 激烈美味しいストレスなし103品』(KADOKAWA)の著者で、手軽で効率的な料理法が人気の料理研究家ジョーさん。に、へとへとに陥らないための食事作りのコツを伺いました。



効率的な料理の方法は「サボリ」や「ズボラ」ではない

―毎日ごはんを作るのにへとへとです…。夏休みに入り、また悪夢のような食事作りの日々が始まるのかと思うと憂鬱な気分に。食事作りの負担を軽くする方法を教えてください!

ジョーさん。(以下「ジョー」)食事作りに疲れちゃうというのは、きっとがんばり過ぎなんですよ。“毎日ごはんを作る”というのは、それだけでものすごいこと。キッチンに立つことができた時点で、たとえ結果として満足のいくごはんが作れなかったとしても、百点満点です!

―でも、SNSなどでは素晴らしい食卓の写真をアップしているママたちも多いですよね。そういうのを見てると、できてない自分がホントに「ズボラ」な気がして、罪悪感を感じてしまいます。

ジョー 効率的な料理の方法は、「サボリ」や「ズボラ」ではなく、大切なものを大切にした結果です。効率的に食事を作ることで、へとへとを回避でき、家族と穏やかに過ごせるなら、そのほうがずっといいですよね。

私もたまに使ってしまうことがあるのですが、レシピにおける「サボリ」や「ズボラ」といった表現は、作り手の「もっと手軽にごはんを作ってもいいんだよ~」という想いから出た言葉。だから、自分を責めず、めいっぱいそのレシピを活用しちゃってください。

また、料理を苦痛に感じている方や、そもそも料理が苦手という方って、大抵ものすごい高いところに基準を置いて、「できなかった」「苦手」としてしまっているんですよね。食材を焦がしてしまうのも、買い物をし過ぎて食材を余らせてダメにしてしまうのも、文字通り日常茶飯事。どんなに料理がうまくなっても起きることなので、そこで毎回落ち込まなくていいです。

完璧な食卓を目指す必要なし!お惣菜や冷食もアレンジ次第で映える

―毎日の献立を考えるのも大変です。

ジョー “メインのおかずがあって、副菜2つにお味噌汁、ごはんは炊き立て”というように、ものすごくハードルを高く設定してしまってませんか?そんな食卓を毎日準備するのは、料理を生業にしている私でも、「うわぁ…、作るの大変だなぁ」と感じてしまいます。

ごはんにお味噌汁だけ用意したらもう十分!おかずはスーパーの総菜や冷凍食品を利用するのもアリです。私自身、料理を仕事にしてはいますが、毎日全部手作りというわけではありません。ごはんだけ炊いておいて、おかずはお惣菜や冷凍食品ということもよくありますよ。

―でも買ってきたものを出すだけだと、やはり少し後ろめたさが…。

ジョー そんな罪悪感を感じる必要はないと思いますが、もし気になるなら、ちょっとしたタレやソースでアレンジするのがおすすめです。マヨネーズとケチャップを1:1で混ぜ合わせれば「オーロラソースもどき」ができあがりますし、めんつゆを薄めて片栗粉でとろみをつければ、簡単に「あんかけ風」に仕上げることもできます。

『めんどうなことしないうまさ極みレシピ』には、電子レンジで作るグラタンのレシピがあるのですが、この中で登場する「レンジで作るホワイトソース」をコロッケにかければ、「ベシャメルソース風」になります。


こういったタレやソースのアレンジによって、栄養が増えるわけではないけれど、「今日も台所に立ってやったぞ!」感が出ますよね。そういう小さな達成感ですら、疲弊している時には心の栄養になるのではないでしょうか。

―成長期の子どもがいるので、栄養面も少し気になります。

ジョー 卵、トマト、かぼちゃ、ブロッコリー。この4つは栄養豊富なので、常備しておくと手軽に栄養をプラスできて便利ですよ。例えば、お惣菜のカツや天ぷらも卵でとじれば、プラスαの栄養をとることができます。

お肉のおかずには、冷凍のコーンをチンして添えて、薄切りにしたトマトを盛りつけたり、冷凍のかぼちゃやブロッコリーをチンして添えるだけでもいいですよね。それだけでなんとなく、洋食屋さんぽく“作った”感も出ます。

―忙しくてごはんを炊き忘れてしまうことも。そんな時はどうすれば?

ジョー ごはんを炊く時間のない時は、パスタ、そうめん、そばなど乾麺の出番です。特にパスタはキロ単位で売られているのをセールのときに買っておけば、主食としては最も安上がりなのでおすすめ。私のレシピ本でパスタが多いのはそういった理由からです。

私も「炊飯器の予約をしてから出かければよかったー!」と台所で泣き崩れることがたびたびあります。そんな自分の肩をポンと叩いて、ここ一番のエエ顔で「コイツを使いな」と差し出されたいレシピを書いたので、時間のないときなどぜひ活用してください。包丁も火も使わないパスタのレシピもたくさん載せたので、疲れ切ってやる気のないときは、旦那さんやお子さんなど、誰かに作ってもらってもいいと思います。




料理の出来を底上げする調味料の選び方

―自分の料理の味に自信が持てません。「コレさえあればなんとかなる!」というおすすめ調味料はありますか?

ジョー 今は、輸入物も含めて本当にいろいろな調味料が出ていますよね。私は“コンビニで買える調味料でレシピを完結させる”ということを徹底しているので、特別なものを買う必要はありません。ただ、少し値段を出してでも良いものを買った方がいいという調味料を挙げるとしたら、「酒」「みりん」「オリーブオイル」の3つです。

【酒】
酒は食べ物より高い税金が課されているのですが、料理酒は塩をたくさん添加して“飲むためのお酒ではない”という状態にすることで税金をかけず、安い値段にしています。たくさん添加しているせいで料理の味が変わってしまうので、ぜひ清酒を使ってみてください。

【みりん】
みりんのラベルをよく見ると、『みりん風調味料』としているものと、『みりん』としているものがあると思います。仕上がりが全く違うので、少し高くても本みりんを選びましょう。

【オリーブオイル】
日本はオリーブオイルの法律が整備されていないので、海千山千いろいろなものが出回っている状態です。細かいことを言い始めるとキリがないので、とりあえず『エキストラバージンオリーブオイル』と書いてあるものを使うように。料理の味の底上げになります。

これらの3つの調味料を変えるだけで、同じ料理でもワンランクアップの仕上がりになります。「料理に自信がない…」と思っている人は、ぜひ使ってみてください。

手間ひまかけて買い物リストを作るより、アドリブが効く買い方を

―生活様式の変化により、買い物も「3日に1回」「短時間で」などと言われるようになり、買い物自体にもすごくストレスを感じるようになってしまいました。献立を考えて買い出しリストを作成するのも、時間がかかるし、何よりめんどう!上手な食材の買い出し方を教えて欲しいです。

ジョー 正直な話、毎日違う数日分の献立を考えてリスト化し、それを買い出しして、正確に使い切るというのは、実質的に不可能。また、それを達成したところで時間や何かを得られるわけではないのでおすすめしません。

私がおすすめするのは、お肉をメインにする買い物の仕方。お肉は特売の対象になりやすいので、安く買えるうちに数日分買って、そのお肉に合わせる野菜などの食材を買います。肉は小分けにして冷凍しておき、料理の際に肉に合わせて料理をアドリブで考えて野菜を消費していきます。

レシピ本の中には“余らせないレシピ”として、余りがちな食材の消費レシピも紹介しているので、ぜひ利用してみてください。


また、作り置きおかずをひとつ作って、2~3日は同じものを食卓にあげるのもおすすめです。毎日メインも副菜も全て違うものを出すというのは非効率的だし不可能なので、そこでがんばる必要はないです。

“毎日3食作らなきゃ”は今の時代にフィットしない

―最後に、毎日の料理に悪戦苦闘しているへとへとママたちにメッセージをお願いします。

ジョー 今回のレシピ本には、忙しい人を応援する効率性を最重要視したレシピをたくさん紹介しています。でも、疲れて何もやる気が起きないときは、それさえ作らなくていいと思います。家族に頼ったり、出前やコンビニごはんに頼ったりするのは、決して悪いことではありません。

料理研究家という仕事をしていると誤解されやすいのですが、出前をとったり外食したりすることはむしろおすすめの行為。私がこの仕事をしているのは、みなさんが台所に立つことが楽しくなって欲しいからなので、苦しくなりそうだったら、出前や外食を上手に活用するのは当然のステップです。

そもそも“毎日3食を用意しなければならない”は、高度経済成長期の専業主婦という存在に求められた名残でしかない呪縛。今の時代には全くフィットしていません。使えるものは使って、気持ちをラクに台所の時間を過ごせるようにしましょう。

◆ ◆ ◆

インタビューを通して感じたのは、ジョーさん。の「無理しなくていいんだよー」というメッセージ。重荷に感じていた食事作りですが、もっと気楽に考えていいんだと思えるようになりました。お惣菜や冷凍食品をかしこく利用したり、時には外食や誰かに頼ったりしながらだったら、前よりも心穏やかに台所に立てそう。ジョーさん。のレシピ本も活用すれば、夏休みの食事作りもきっと乗り切れるに違いありません!

文=酒詰明子

Profile

ジョーさん。


料理研究家。共働きで多忙だった母を手伝いたいという想いから料理を始める。ガッツリボリュームのある肉料理から、旬の野菜を美味しく食べるレシピまで「台所に立つのが楽しくなるように」をモットーに幅広いレシピを考案。日々の忙しさの中でも、美味しいものを食べたい、作ってあげたい、という想いに応えられる効率性を最重要視したレシピは、Twitterでも反響を呼び、フォロワー数は24万人超。ALL未公開レシピを集めた近著『めんどうなことしないうまさ極みレシピ 激烈美味しいストレスなし103品』(KADOKAWA)は、「今日は自炊ムリ、、、でも買いたくない。外食は飽きた」という人を応援する一冊。

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