“腸”美人を作る条件に「腸内フローラ」の健全化が欠かせないことは、様々なメディアを通して多くの方がご存知でしょう。
“腸”美人になるために、腸内フローラの健全化と同じくらい大切なのは、毎日、定期的な排便があることです。
便秘の定義は明確なものがありません。しかし、2~3日排便がスムーズに行われない状態、毎日出ていても排便がスムーズでない状態、そして間隔が不規則だったりする場合も便秘だといえます。
便秘は多くの人の悩みの種ですが、誰もが知っている、ある姿勢をとることで、排便がスムーズになりやすいことをご存知でしょうか?
今回は、「毎朝、スッキリ感を味わいたい方におすすめの姿勢」をご紹介します。
総務省統計局の調査では、水洗トイレのある住宅の割合(水洗化率)は90.7%とされ、その中でも洋式トイレ保有率は89.6%、今や日本では9割近くが洋式トイレです。
排便までに、腸繊維に圧力がかかる姿勢を取るのが洋式トイレ。逆に和式トイレは、憩室症(大腸などに風船状の袋ができる症状)がほとんどなく、便秘も少ないと考えられています。
さらには、しゃがんで用を足す習慣のある人口は世界で12億人といわれています。また、海外では生活様式や考え方の違いや経済的な面からも、洋式トイレが日本ほどは普及していないという事実もあります。
現在の日本の生活で、スムーズに排便しにくい一因は、洋式トイレでとる座位姿勢にあるのかもしれません。
いつから女性は便秘がちという概念が定着したのかを調べたところ、17世紀のフランスまでさかのぼります。それ以前は、所かまわず即その場がトイレという風習があったようですが、18世紀に入り、排泄に対する羞恥心や人前で用を足す事は恥ずかしい事という意識が芽生え、食事を抜くなどの「我慢」により外出先で便意をもよおさない様にしていたようです。
また、女性は生理周期のホルモンの関係で、月経前に便秘になりやすくなります。性ホルモンである黄体ホルモン(プロゲステロン)が優位になることで、水分をため込みやすくなって腸の壁がむくむために、腸のぜん動運動機能が低下することが原因です。
しかし、生理の時期に限らず腸内環境を最も左右するのは、食習慣や生活環境です。
米国・クリーブランドクリニックフロリダ 大腸外科のS.Takano氏らの研究では、通常の座位姿勢と、便秘をもつ人におすすめの「ある座位姿勢」で、いきんでいる間の次の3つを比べ、レントゲン撮影で測定しています。
この研究には勿論LAR世代の女性被験者も含まれています。
・肛門直腸角(ARA)
・会陰面の距離(PPD)
・恥骨直腸筋の長さ(PRL)
とある姿勢では、通常の座位姿勢よりも、ARAでは21°差、PPDは2.2cm、PRLは2.3cmの差が出たことから、その姿勢をとることで通常の座位姿勢ではスムーズな排便がなかった人々にも、スムーズな排便が得られたと報告されています。
さて、それはどんな姿勢だと思いますか?
排便がスムーズになる注目の姿勢とは、ズバリ、ロダンの彫刻で有名な「考える人」の姿勢です! 上体をまっすぐ立てて座るのではなく、前に曲げることがポイントです。
日常的に便秘で悩んでいる方のみならず、スムーズな排便を望む方は、トイレで「考える人」の姿勢になってみることをおすすめします。
(歯科医師・ヨガインストラクター・細胞環境デザイン学認定医 KIKU)
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【参考】
※日本の住宅・土地-平成20年住宅・土地統計調査の解説 住宅の設備 – 総務省統計局
※排便時の姿勢、理想は「考える人」 – ケアネット