キャベツやレタス、ほうれん草や小松菜などの葉もの野菜は、ちょっと時間が経つとしなびてしまいます。すると歯ざわりも悪くなり、味もだいぶ落ちます。失われた水分を戻そうとただ水に浸けても、うまくはいきません。実は、もとの状態に近づけるいくつかの方法があるのです。今回は、料理研究家の筆者が「しなびた野菜をシャキシャキに復活させる方法」をご紹介します。
キャベツの千切りを作る際、シャキッと仕上げるために切り終えたあと冷水にさらします。この方法は、ほかの野菜にも有効です。氷水を用意して、しなびてしまった野菜を浸けると、パリッとした質感が戻ります。ただし、あまり長時間浸けると切り口などから栄養分が流れて出るので、短時間で済ませましょう。
野菜を水に浸ける際に、水分の浸透をうながすために、砂糖と酢を入れる方法があります。砂糖水による水分吸収をうながす作用と、酢が持つ殺菌作用による鮮度の回復で、野菜がシャキッとハリのある状態に戻ります。
氷水とは反対に、お湯に浸けて復活させる方法もあります。湯の温度は50度前後。この温度の湯に浸けることで、葉の表面の気孔が開きやすくなります。こうしたヒートショック効果を利用して、内部への水分の吸収をうながします。また、野菜の細胞を結合しているペクチンという成分の弾力性を高める効果もあり、歯ごたえもよみがえります。
いかがでしたか? これらの方法を別々におこなうだけでなく、砂糖と酢を入れた湯に浸けたり、最後に冷水で流したりと、組み合わせることでさらなる効果も期待できます。かといって、あの新鮮な野菜の食感が完全復活するわけではありません。やはり、野菜は早いうちに食べるのが、一番いい方法です。
(料理研究家 オガワチエコ)
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