なにか料理を食べたとき、美味しいと感じて印象に残るのは、使われているメインの食材です。脇役となる食材は、いい仕事をしていてもあまり注目されません。油揚げは、そんな食材のひとつです。リーズナブルなうえに使い勝手のいい油揚げを上手に利用できれば、料理の腕もさらに上がります。今回は料理研究家の筆者が、「油揚げを美味しく食べるコツ」についてご紹介します。
油揚げの原料は大豆です。大豆から豆腐を作って、水抜きして油で揚げたものが油揚げです。油をたくさん含んでいるので、使用する際はまず油抜きをする必要があります。熱湯で湯通しして水で冷やし、軽く絞る。こうすることで、独特の臭みも緩和されます。
トースターに入れて焦げ目がつくくらい加熱すると、パリッとした仕上がりになります。このまま生姜醤油などで食べても美味しいですよ。また、チーズやちょっとした具材をのせてからトースターに入れると、ピザ風油揚げのできあがり。お酒のおつまみや、ホームパーティーなどにいかがでしょう。
油揚げは真ん中を切ると袋状になるので、そこにいろいろな具材を詰めることができます。ハムやチーズを挟んでフライパンで焼いて朝食風にしたり、炒めたひき肉や野菜をたっぷり挟んでボリューム感を出してもいい。みりんと醬油と砂糖で汁を作って油揚げにしみ込ませて、そこに酢飯をつめれば、お稲荷さんのできあがりです。
緊急時でお肉がないとき、ダイエット中のときなど、お肉の代わりに使うことができます。例えば、親子丼を作るのに、鶏肉の代わりに使ってみたり。ボリュームがあってコクも加わり、お肉に引けを取らない仕上がりになります。
時間が経つと油が酸化するので、油抜きしてからの冷凍保存がおすすめです。このとき、あらかじめカットしておくと、凍ったままの状態で料理に使えます。もし油抜きをせずに冷凍したら、湯をかけて解凍と油抜きを同時にして使いましょう。
いかがでしたか? 油揚げはリーズナブルなので、主婦の強い味方ともいえます。うまく利用すればかなりの節約にもつながります。料理の質を落とさずに費用を抑える、賢く使える食材ですね。
(料理研究家 オガワチエコ)
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