夏に向けてダイエットを心がけている方も多いかと思います。最近では、オリーブオイルや亜麻仁油など良質のオイルを取り入れることが、美容と健康に役立つと話題ですが、ダイエットのためには、控えたほうが良い良質オイルもあります。ダイエットを心がけているのになかなか痩せない……という方、もしかすると毎日の良質オイルがダイエットの邪魔をしているのかも知れません。
(1)オリーブオイル
オリーブオイルは、オリーブ由来のポリフェノールが含まれた、抗酸化力の高い良質オイル。主成分であるオレイン酸は小腸で吸収されにくく、油膜となって糖や脂肪の吸収を穏やかにしたり、大腸に届いてぜん動運動をうながしたりする働きがあり、本来ダイエットを邪魔する存在ではありません。ただしオレイン酸は体内で合成できる脂肪酸。摂り過ぎると体内で余り、脂肪として蓄積されやすくなるのです。
(2)ココナッツオイル
ココナッツオイルの主成分「短鎖脂肪酸」は胃腸から吸収されて肝臓に運ばれ、ケトン体という物質を作り出します。ケトン体は身体に備わる抗酸化酵素の働きを活性化したり、糖質の代わりにエネルギーとなったりする働きがあり「若返りオイル」とも呼ばれています。ですが、ケトン体からエネルギーを得ることができる分、身体に蓄積された脂肪をエネルギーに変える機会が少なくなってしまいます。そのため既に蓄積された脂肪が気になる方は、エネルギーを容易に作り出せるココナッツオイルを多く摂っていると、痩せにくくなる場合があります。
脂肪は身体に必要な栄養素。食事に脂肪が不足すると満足感が足りず、食べ過ぎの原因になることも。積極的にダイエットしたいときは、細胞を活性化させ、血液や血管の健康を守ってくれるオメガ3脂肪酸が◎。オメガ3脂肪酸は体内で合成できず、食べ物から取る必要があります。調理用油も含めて、1日大さじ2〜3杯を目安に食事に取り入れましょう。
オメガ3脂肪酸を多く含む良質オイル
オメガ3脂肪酸は、亜麻仁油やインカインチオイル、エゴマ油に多く含まれています。ただし酸化しやすいので開封後は冷蔵庫で保存し、早めに使い切りましょう。
たとえ良質なオイルであっても、とり過ぎればダイエットの邪魔をしてしまいます。「食事には気を使っているのに、なかなかダイエットが進まない」という方は、オイルの種類を見直してみてはいかがでしょうか。
(美養フードクリエイター 岩田 麻奈未)
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※日経BPムック 日経ヘルス別冊(2015年)「一生若くいられる 油のとり方 最新ガイド」(日経BP社)