その言葉を単独で差し出されたら読める人はほとんどいないかも?という、読めないけど読めたら自慢できそうな“難読漢字”をクイズ形式で紹介していきます。
今回は何か足りない気持ちにさせる不思議な漢字です。
「簡単簡単、『かぜ』でしょ?」って思ったあなた、もういちどよく見てください。何か足りなくないですか?
「風」という字の成り立ちは「凡」+「虫」からだそうですが、「虱」とはたまたま形が似てしまっただけで、「風」と「虱」という二つの漢字の間に、特別な関係はないのだとか。
それよりも「虱」と同じ読み方で、同じものを指す、もうひとつの漢字「蝨」があるんです。
こちらのほうが見慣れない漢字で難しそうではありますが、下半分に、読み方のヒントになる字を含んでいますね。
「虫」という字を2回書きますし、きっと「虱=蝨」は昆虫の一種を表す漢字に違いありません。
また上に乗っている「卂=しん」は、動きが早いという意味なので、「蝨」は動きの早い虫の名前ですよね。
こんなふうに捕まえられる虫なのでしょうか?
もうひとつヒントを出すなら、そうですね〜、見たことがある人はどのくらいいるでしょう。
第二次大戦後は日本でもたくさん見られた「虱」ですが、公衆衛生の努力の甲斐あって、昭和の後半には見かけることもありませんでした。
でも最近になって、日本でもこれに悩まされる子どもが増えているようですね。
ちなみにこの昆虫、「風」にちょっと足りない「虱」と書くことから、「半風子=はんぷうし」などと文学的な表現をされることもあるそうです。
なんて考えていたら頭がかゆくなっちゃった、という人はいませんか?
頭がかゆくなる原因って色々ありますよね?
正解は…
【虱=しらみ】です。
くっついて遊んでいると頭から頭へぴょーんと飛び移って…
子どもが幼稚園や保育園でお昼寝をするようになるともらう、考えただけでもかゆくなるアイツです。
不潔にしているからもらってしまうというわけではなくて、どうも「虱」が好む髪質というものがあるようですね。
もしものときは子どもをひざにのせて、髪の毛1本ずつ、卵探しの旅に出るのが遠回りなようで近道。
「虱つぶし」という言い回しを実感するひとときが過ごせることでしょう。
では次回をお楽しみに…
まとめ/伊波裕子
こちらの漢字は読める? ↓
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