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Vol.6 北山塾のゴミ分別ミーティングで考えたこと

  • 2008年9月25日

みなさん、こんにちは。北山陽一です。

ゴミの分別今回は、僕の周りの環境問題に興味を持つ人間たちが集まって定期的にミーティングを開いている「北山塾」(この名前はもうちょっとなんとかしたいんですが…)で、最近ちょうどゴミの分別が話題になったので、その話を紹介したいと思います。

このときのミーティングの中心の話題は、徳島県でゴミの分別を進めているゼロ・ウェイストアカデミー(活動の詳細はこちら)の活動でした。ゼロ・ウェイストの活動がなんで始まったかというと、それ以前にはこの地域ではゴミは野焼きしていたんだそうです。ところが、だんだんそれでは対応できなくなってきて、でも大きなプラントを作るには補助金が必要で、補助金をもらうにはいろいろな条件をクリアしなきゃいけなくて、それもむずかしい、と。残る方法は近くの民間の焼却場にお金を払って処理してもらうしかないということで、“それなら、払うお金をできるだけ少なくできるように、みんなでゴミを減らしましょう”ということになっていったんです。それは、ゴミの分別が求められる場面としてはじつにまっとうだと思うんですが、ポイントは自治体がゴミ処理についての状況を全部明らかにして、“こういうことなんで、みんな協力してください”というふうに進めていったことだと思うんですよね。それは小さな自治体だからできたところもあるんでしょうけど、それにしてもこういう問題では行政側はしっかり事情を伝えていくということがいちばん大切だと思うんです。

ただ、そのミーティングには関東近郊の自治体でゴミ処理の問題を担当している人も参加していて、行政側の立場の意見としてその人の話も非常に興味深いものでした。その人によるとゴミの収集というのは無条件で行政が行うべきサービスという感覚が住民側に根強いので、そのサービスを続けるのに条件づけが出てきた場合に“どういう事情でこうなったか?”みたいなことを説明するシステムができていないんだ、と。だから、いま住民たちに分別のついて何か説明しようとしても、冷静に説明する状況を作れないということなんです。ちゃんと顔を見て、人間対人間として説明すればわかるはずのことが、住民たちは不満タラタラで文句を言うことしか頭にないような状態だからもう説明が通らないんですよ、というわけです。モンスター・ペアレンツを相手にする学校の先生みたいな感じなんだと思うんですけど。そういう住民とのコミュニケーションの取り方まで含めて、いまの枠組のなかで行政側だけでやるには限界があるけれども、自分の工夫と熱意でどこまでやれるかということを考えていると、その自治体の方は話されていました。そういう方がいらっしゃるというだけで個人的にはいいなと思ったんですが、確かにゴミの分別の問題に限らずエコの問題への対応って、行政だけでは追いつかないというか、企業やNPOなんかがどんどんリードしていくべきところもあるんだろうと思うんです。

僕はよく言うんですが、ある人にとってすっごい大きな悩みでも、あっさり答えを出せる人っていうのがどんな場合もいるものなんですよね。要は、その両者が出会えるかどうかだけだったりするわけで、ゴミの分別についてもすごい悩んでる自治体はけっこうあるみたいですが、それも一見全然関係ないようなところに答えがあったりするんじゃなかなっていうふうにも思うんです。ゴミの問題だからゴミについて研究している人がやるっていうんじゃなくて、いろんな研究をやってる人がジャンルを超えて情報を交換したり問題を共有したりすることがCSR(企業の社会的責任)のひとつの形なんじゃないかというふうにも思います。


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