みなさん、こんにちは。ゴスペラーズの北山陽一です。
前2回は、環境について考えるように自分のからだについて考えようという話をしましたが、からだについて考える場合にいちばん身近で具体的なテーマはなんと言っても「食」ですよね。というわけで、“味覚の秋”を前に改めて「食」について考えてみたいと思います。それで、難しい話をするよりもひとつのサンプルとして、まずは僕の食生活というか、「食」状況を紹介することから始めようと思ったんですが、そこでいきなりスタッフから飛んできたのは「好きな食べ物は?」という豪速球の質問でした。さて、好きな食べ物は…?
いろいろやっていくと、僕の場合は結局米と大豆に行き着くんですよね。まず、お米は文字通り主食で、玄米が好きなんですけど、時々料理の専門家から「玄米なんかより、おいしい白米を食べればいいじゃないか」と言われることがあります。もちろん、白米のおいしさは承知しているつもりですが、と言って玄米がおいしくないと言ってしまうのはどうかなとも思います。玄米もおいしく炊けば、本当においしいですから。で、大豆および大豆加工食品。大好きですね! 豆乳、味噌、醤油、納豆、豆腐。これだけあれば、本当に生きていけます。何かの縁で、この連載を読んでらっしゃる方のお宅の食事にお邪魔する機会がこれからあるかもしれませんが、そういうときにはぜひ「味噌汁にご飯」というメニューでお願いします(笑)!
さらにスタッフから、「北山のおいしさポイントは?」という質問が届きました。“これが効いてるとおいしいと感じる”というポイントですね。あまり考えたことがなかったんですが、塩気は大事だと思います。塩も製法や産地によって味が全然違ったりして、本当に奥が深いですよね。それから、乳酸菌や酵母も重要かなと思います。キムチも大好きだし納豆も大好きなんで、ちょっと年季が入っているというか(笑)、あまり若くない食べ物がいいのかもしれません。
ただ、イメージとして「あまり若くないもの」の系列に入るものの中でも、酢酸、酢だけは苦手なんです。最近だいぶ克服したとはいえ、あの匂いは僕の鼻だと腐敗臭だと認識してしまうんですよね。そういう匂いにすごく敏感だったので、ちょっと日にちが経って危ないかなと思われるものについてリトマス試験紙的に使われてました(笑)。念のために補足しておくと、もちろんお寿司は大好きですよ。寿司酢はあまりよく知りませんが、酢飯は好きです。酢酸臭気にならないです。なんでだろう。そうだ、せっかくなので寿司屋での北山的フィナーレを紹介しましょう。大トロを1貫頼みます。炙りがあればそっちで。その後、アサリとかシジミの味噌汁を飲むっていうのが最高ですね。何かの縁でお食事をご一緒することになった場合に、「炙りトロにアサリ汁」というメニューもうれしいです(笑)。
最近はB級グルメがなにかと話題です。B級グルメの代表的メニューのなかに、わが八戸のせんべい汁もラインナップされていますが、もちろん僕もおいしいと思ってます。ただ、正直に言って、“せんべい汁、食いたいなあ”とは思うことはあまりありません。八戸の特産品のなかでは、やはりしめ鯖ですね。しめ鯖は“食べたいなあ”と思います。何かの縁でお食事を…、というのはもういいですね(笑)。
いわゆるジャンク・フード系のものもけっこう食べます。学生時代はピザとコーラの食事なんていうのがしょっちゅうでしたし、そもそもジャンク・フードは大好きでしたからね。ご存知の通り、僕は食事制限を自分に課していて、そのせいでインスタントラーメンはたいてい豚エキスが入ってるから駄目なんですが、最近は自然食品の店に行くとマクロビオティックのインスタントラーメンというものを売ってるんです。まあ、おいしいですよ。というか、昔のインスタントラーメンみたいな感じの味です。ピザも乳製品がNGなので基本は駄目なんですが、最近では宅配ピザでもチーズ無しのメニューを用意しているところがあるし、メニューには書いてなくても注文するときに「チーズ抜きで」と言えばちゃんと対応してくれます。それから、アルコール度数ゼロというビールが出てくれたおかげで、家に帰ってプシュッとやってシュワッとするという、小さな幸せを味わうことができるようになったのもけっこうデカイですね。甘いものを食べたいなと思ったら、マクロビオティック・スイーツがあるし。
というような感じで、北山の食生活は人並みにけっこうラフです。ラフに楽しみながらも、一応意識していることがあるので、それについて次回は書いてみたいと思います。どうぞ、お楽しみに。