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Vol.176 投資も消費も、大事なことは同じ、かな!?

  • 2015年7月30日

 みなさん、こんにちは。ゴスペラーズの北山陽一です。

 昨年暮れから続けていたゴスペラーズのデビュー20周年記念ツアーが無事に終了しました。各地の公演に来てくださったみなさん、本当にありがとうございました。これからしばらくは僕も思い切り羽を伸ばしたいと思います、と言いたいところですが。メンバー全員まさにひと息ついただけで、もう次のプロジェクトに向かっています。このツアー終了は、文字通りの通過点って感じになってますね。G10ツアーのときは達成感いっぱいで“やったぁ!”という感じでしたが、今回はそういう手放しな感じはないです。この10年でいろいろな経験をしてきたし、いま見えている世界も当時よりもはるかに広いですから、やり遂げたことを喜ぶよりも、“次はどうするんだ?”という意識のほうが強いんですよ。そんな感じで前を向きつつ、感謝の気持ちがすごく強まってますね。今回のツアーでも、いろんな人が、いろんな思いで僕らの音楽を聴いてくれてるんだなあということを改めて実感しました。その実感が次に向かうエネルギーになっています。皆さんからもらったこのエネルギーをさらに良い歌に、良い舞台に変えていきますので、ぜひひき続きよろしくお願いします!

 さて、ゴスペラーズはまだまだ動きますが、僕自身としてはツアーが終わったら考えたいと思っていたことがたくさんあるので、そちらもひとつずつ話を詰めていこうと思っています。前回お話した、社会貢献やボランティアの取り組みと、そういう取り組みに参加したい/サポートしたいと思っている人とのマッチングを進める企画もそのひとつです。

 例えば、いわゆるクラウドファンディング系のサイトの利用者は資金を提供するという形で何かの取り組みに参加する形ですが、そこでは取り組みを実践している本人がサポートを募るという形になっていますよね。そのダイレクトな形のいいところがもちろんあると思いますが、でもそういう部分で矢面に立つのが苦手なタイプの人も少なくないでしょう。そんな人達のためにも、紹介者、仲介者として本人とサポート希望者の間に入るということを、明確な意志を持ってやる人がいてもいいのかなと思うんです。誰か、やりませんか? 現時点での僕のイメージとしては一口1000円くらいのスケール感なので、ビジネスとしてやるにはあまり旨味はないかもしれませんが(笑)。

寄付 金融商品の中には、利回りやリスクとは別の切り口、例えばその事業に資金を提供することの社会的な意味合いや将来に向けたロマンの部分を前面に押し出したものがある、と聞いたことがあります。戦争に関わっている可能性のある企業を避ける商品や、環境負荷を基準に開発されているものなど、お金を増やすという目的と無関係に思えるものが、意外と利回りが良かったりすることもあると聞きました。(僕はこの方面は門外漢なので、情報が古かったりしたらごめんなさい。)自分が好きなことをする、自分が好きなものを手に入れるという行為が社会に与える影響を、そんなふうに考え、コントロールすることも出来るわけです。それは、身の周りにすでにある話で言えば、“野菜を買うなら、顔の見える農業者の人が作ったもののほうがいいな”と感じるということと同じですよね。募金とか、ボランティア活動の支援も同じだと思いませんか?前回の最初の話にもつながっていきますが、“何かを買うという行為にはどういう意味があるんだっけ?”ということを、普通は考えなくて済むようなシステムになっていて、僕らはそういうシステムに慣れてしまっているわけです。だから、欲しい物を買うことと募金することに大きな違いを感じる。ふるさと納税なんかがそこに面白い角度を与えてくれていると思いますが、自分のお金を何かに、あるいは誰かに提供するという意味で、何かを買う、消費するということと、誰かを助けたい、支えたい、と募金したりすることは、実は同じことなんじゃないでしょうか。

 ちょっと話が大きくなってきたので、このあたりで一度話を止めましょう。でも、学生の人なら、そろそろ夏休みが始まっているかもしれませんが、時間があるときにぼんやり考えてみてください。

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