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Vol.151 エネルギーの選び方は例えば仕事の選び方にも通じる、かも?

  • 2014年7月24日

 みなさん、こんにちは。ゴスペラーズの北山陽一です。

 世間はもうすっかり夏休みモードですが、就活生のなかにはそれどころじゃない、という人も少なくないでしょう。僕としては「がんばってください」としか言いようがないのですが、ただ前々回、前回と続けてきたエネルギーの選び方の話はけっこう仕事の選び方にも関係があるんじゃないかなあと思ったりしています。

 というのは、すでにご紹介した通り、2016年以降、電気および都市ガスの自由化が進んでいくわけですが、そうなると例えば僕が住んでいる東京で都市ガスを供給している最も大きな企業である東京ガスは電気の小売りにも参入していくことを表明していますから、「ガス屋さん」であると同時に「電気屋さん」でもあることになり、つまりは「エネルギー屋さん」と呼ぶべき企業になっていくのだろうと思われます。また、日本では法律が変わることでそうした相互乗り入れが進むことになるわけですが、世界的に見れば、例えば石油のメジャー企業が大規模な太陽光発電事業をやっていたりもするわけで、いわゆる業界の垣根はいよいよ無くなっていくと考えたほうがよさそうです。エネルギーに関する業界について言えば、例えば「ガス屋」という自己規定は天然ガスがずっとあることが前提になるけれど、ガスにしても石油にしてもそういうことを前提にできる時代ではなくなってしまったということがあるのかなあと思います。いずれにしても、就活生のみなさんの目線で言えば「ガス会社に就職する」とか「電力会社で働く」という枠組みで就職先を考えるのはあまり有効ではなくなっていくのだろうと思います。

明かり 僕が思うのは、やっぱり根本に立ち返るということで、例えばエネルギーに関わる仕事で言えば考え方をエジソンの時代まで戻してみるといいんじゃないかなあということです。その時代に求められていたことの根本は電気を起こすということではないし、もちろん電気を使うことでもない。夜、暗くなっても本を読めるように明るくしたいという素朴な願いであって、その願いを叶えるのは電気でなくてもいいし、どういうエネルギーをどう使うかは自由ですよね。そういう発想があれば、どんな会社に入ってもイノベイティブな仕事ができるんじゃないかなと思うし、あるいは既成の枠組みのなかで与えられる仕事にもいろんな広がりを見出せるように思います。

 ついでに、ちょっと乱暴な提案をすれば、就職などしないで、自分で毎朝自転車を漕いで発電し、その電気を売って歩く、なんていう仕事を考えてみるのもいいかもしれません。おそらくこの数年の間に蓄電技術が飛躍的に進歩すると思うので、まんざらバカげたアイデアではないような気がします。というか、蓄電池技術が発達すれば、牛乳の宅配のような仕組みで、「今日の電気です」と配ってまわる商売が現れても不思議ではない。有機野菜や水の宅配業者が電気もいっしょに持って来る、なんて状況は大いにあり得ると思います。

 というわけで、「電力の小売り自由化」というニュースから、妄想力全開でいろんなイメージをふくらませてきましたが、僕が言いたいのはやはり“そもそも自分が求めていることは何だっけ?”ということをしっかりみつめ直して、その欲望に素直に自分の暮らしや仕事を組み立てていくことが気持ちいい人生につながっていくんじゃないかなあということです。

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