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Vol.117  ゼファーの小型風力発電機「エアドルフィン」を見てきました。 

  • 2013年3月7日

 みなさん、ゴスペラーズの北山陽一です。

設置事例 今回は、以前からずっと気になっていた会社、小型風力発電機を開発/販売しているゼファーさんにお邪魔してきました。この会社のことがなぜ気になっていたかというと、ゼファーの創業者の方はオーディオ・メーカーの山水電気から転じてこの会社を興されたんですが、僕はその山水のオーディオの大ファンで、だから山水のオーディオを作っていた人ならきっと素敵な発電機を作るに違いないと思っていたわけです。しかも、「ゼファーの発電機は本体のプロペラ部分が回転することで生じる音を軽減する工夫をフクロウの羽の消音構造からヒントを得て実用化した」なんていう話を聞くといよいよ気になりますよね(笑)。それに加えて、東日本大震災以来、僕のなかでは電力自給ということがとても大きなテーマのひとつになっているだけに、その有力な選択肢のひとつとして現時点でのその“実力”をしっかり確認したいと思っていました。というわけで、今回まさに念願かなってお邪魔したわけですが、お話を聞いてみると、ゼファーさんの発電機に興味を持つ人のなかでは、僕のように山水ファンで理系タイプという方がけっこういらっしゃるそうです(笑)。

 それはさておき、ゼファーの小型風力発電機は「エアドルフィン」といいます。風の中を泳ぐイルカ、ということでしょうか。ゼファーさんのオフィスがあるビルの屋上に設置された実物を見せてもらったのですが、予想していたよりもはるかにコンパクトで、プロペラが回転したときの風切り音も僕は気にならなかったし、かなりスマートな印象を受けました。ただ、実際に自分が導入するかどうかという観点で見ると、見学したビルの屋上の、特に強くもなく弱くもないといった感じの風が吹いている状態で1基=数百ワットくらいの発電量でしたから、とすると電力自給ということを考えると3基か4基は必要ということになるかなという感じです。実際、「エアドルフィン」の発電能力は平均風速5メートルくらいの風が吹くところで一般家庭の消費電力の3分の1から4分の1くらいを賄えるということなんですが、その設備にだいたい200万円弱くらいかかるということですから、都心に住んで「エアドルフィン」だけで電力自給を目指すというのはあまり現実的ではないかもしれません。すでに導入している方の例を聞くと、やはり高台や海辺の風の強い場所に住んでいる方がほとんどということで、当たり前の話ですが、風が吹く場所でこそのシステムであるということですね。食べ物などについては地産地消ということがよく言われるようになりましたが、エネルギーについてもそういう考えは進められるべきで、風がいつでも吹いているような地域に住んでいる方ならその環境特性を生かすこのシステムを考えてみる価値は大いにあるんじゃないかと思いました。

設置事例 もっとも、ビルの屋上に設置され、風を受けて発電している「エアドルフィン」を実際に見て僕がいちばん強く思ったのは、全国の小学校の屋上に設置すればいいのに、ということです。「エアドルフィン」は本体が20キロと軽量で、置き台(コンクリートブロッック)の設備を含めても700キロくらいということですから、重くて設置できないというおそらくないはずだし、それにこういう設備があれば校舎の屋上にあれば理科や社会の教材としてもすごく有効だと思います。例えば総合学習の時間にバスをチャーターしてどこかの施設に見学に行くお金と手間を考えれば、設置費用なんてすぐに償却できると思うんですが。自然エネルギーに関する事業というと、どうしても経済産業省マターと考えられがちですが、文部科学省の関係者の方がもしこの連載を読んでいたら、ぜひ検討してみてください。

 と、言いながら、ゼファーの事業のなかには、こういうのもあるんでした。 失礼しました。ただ、まだ十分に設置が進んでいるというわけでもなさそうなので、ぜひみんなで後押ししたいですよね。

「エアドルフィン」を実際に見て、もうひとつすごく妄想がふくらんだことがあるんですが、それはまた次回ということで。


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