みなさん、こんにちは。
はじめまして、の方も多いかと思いますが、ゴスペラーズの北山陽一です。今回、緑のgooの方からご提案いただき、こうして連載を担当させていただくことになったわけですが、その提案は僕にとってもじつに望むところというか、非常にうれしいご提案でした。
僕にとっての「環境」は、エコという言葉がこんなに“流行”するずいぶん前からとても気になる問題で、そのいちばん最初のきっかけは核燃料リサイクル施設の問題です。いきなりハードコアな話題になりそうですが(笑)、僕は青森県八戸市で生まれ育ったので、六ヶ所村の問題はとても身近な問題だったんです。もっとも、高校生だった僕は、そうした問題を引き起こす人たちから自分を切り離して考えていて、その上で“環境を破壊するヤツはけしからん!”なんていうふうに考えていました。
その後、大学で環境情報学部というところに在籍することになるわけですが、そこで僕は「環境というのは、人間を取り巻くもののすべてである」という考え方に出会います。情報とは、その環境から発せられていて、人間はその情報によって環境を認識しているんだ、と。だから、環境情報を学ぶということはすべて学ぶということである、というわけです。
目からウロコでした。そして、いま僕が「環境」について考えるうえでもその考え方がベースにあります。で、そういう意識で最近のエコや環境に関する話を眺めてみると、「確かにおっしゃる通り」と思うところもあるんだけれど、でも「ホント?」と突っ込みを入れたくなるのも事実で。だから、いろいろな本を改めて読んでみたんですが、やっぱりひと筋縄ではいかない問題がたくさんありそうだなというのが率直な感想でした。それに、僕が思っている「環境」と一般に言われているエコとか環境問題とのギャップをちゃんと見定めておかないと自分のスタンスをきっちり決められないなあとも思いました。なにせ、最近は取材を受けたりしても、エコや環境について聞かれることが本当に多いですから。
そこで、“僕はいろいろ仕事も忙しいし…”なんてことも考え、僕のわがままを聞いてくれそうな大学の後輩を集めて(笑)、そのグループで一緒に考えていくことにしたんです。「北山塾」という身も蓋もない名前なんですが、まずはメンバー同士、お互いの頭の中をざっくばらんに確認し合うことから始めて約1年が経ちました。まさにこれから具体的な活動に入っていこうとしているところでちょうどこの連載も始まるので、この2つの活動をうまくシンクロさせられたらいいなとも思っています。
というわけで、連載第一回はそろそろお終いですが、そう言えば、この妙な連載タイトルの話をまったくしてなかったですね(笑)。そのあたりの話は次回に、ということで。
こんな感じで、僕の思うところを気の向くままに書いていきたいと思いますので、どうぞよろしくお付き合いください。