こんにちは!OZEKI です。インテリアグリーンには、枝ものや実ものといわれる素材を用いると、より季節感を表現できるようになります。
最近はお花屋さんなどではアレンジメントの素材として、枝付きのフルーツなども出回っているのでチェックして、使ってみてください。
今回は、元気を得られる「イエロー」や「オレンジ」素材を紹介します。
出回り時期や特性、取り扱い等、知るともっと実ものが好きになる実用的なものを紹介します。
つる性のウリ科の植物です。日本に昔から自生している植物で、他の樹木などにからみついて成長します。グリーンで白い縞が入り、秋になると濃いオレンジ色に色づいていきます。生け花の花材として、古くから使われています。つるを生かしたデザインがおすすめです。
果実酒などに加工されるカリンはバラ科の高木です。別名マルメロと言われています。枝物としては、木がしっかりしているため、大枝で出回ることが多く、実も写真のように若い時、より黄色く熟してからと、さまざまな段階で出荷されます。ディスプレーや生け込みなどにおすすめです。また、実が幼いときは葉が旺盛なので、葉をうまく間引いて使いましょう。
中国原産のミカン科の柑橘類です。秋から冬にかけて小さな丸い実をつけます。皮ごともしくは皮だけ生食したり、砂糖漬けなどで食用とされています。実付きの枝として用いるほかに、実に竹串を刺してアレンジメントやブーケにおすすめです。また中国では旧正月にキンカンの鉢植えを飾ります。日本でもお正月に向けての需要が多いため、お正月のアレンジなどの素材としても。
漢字では月桃と書いて、ゲットウと読みます。ショウガ科の植物で、葉から独特の香りがするため、沖縄では葉にモチを包んで蒸した物を食べるならわしがあります。春に白い花を咲かせ、6月頃から穂状に実がつきはじめます。グリーンの実が秋にはオレンジ色に色づきます。
ミカン科の柑橘類です。実は大きくずっしりとしています。他の柑橘類同様、秋にきれいな色になりますが、春先までは酸味が強く食用に向きません。初夏になると甘くなり、食べられるためこのような名前がつきました。フラワーデザインへの利用はそのままアレンジメントに入れたり、実を並べてディスプレーとして見せるのがおすすめです。
ハロウィン用に作られた観賞用のカボチャです。また同じような大きさのカボチャはアメリカから輸入品や国内でもおもちゃカボチャとして生産されています。皮の色も濃いオレンジ、黄色、グリーン、白などバリエーションに富んでいます。いずれも実は小さく、アレンジメントなど幅広く利用できます。アレンジやブーケには竹串を刺して使いましょう。
7月に開催される東京浅草寺の「ほおずき市」などに見られるように、日本では古くから愛されている実ものです。お盆には提灯に見立てて飾られています。そのため花市場での出回りは東京では7月のお盆、他の地域では旧盆に合わせての出荷がほとんどです。また、近頃はお盆用の品種ではなく小型のホオズキを生産している産地もあります。葉付きで出荷されますが、葉は水が下がりやすいため、葉を取って用いた方が扱いやすいです。実だけをアレンジやブーケに使うのもおすすめ。
キツネの顔に似た実の形が名前の由来であるフォックスフェイスは、南米原産のナス科の植物です。つややかな黄金色が昔から縁起がよいとされています。日本では大きな枝物として、葉をすべて取った状態で出荷されており、大きな装飾や生け込みにおすすめですが、実だけを使っても可愛らしいです。
インド原産の柑橘類。ラグビーボール型の実の形は独特で、味覚は非常に酸っぱいフルーツです。黄色の皮の色とその独特の形でフラワーデザインでは使いやすい素材です。そのまま使ったり、竹串などを使ってアレンジに取り入れたり、半分にカットして断面を見せたりと幅広く利用できます。
photo (C) Tomoyuki Sasaki, Seibundo-Shinkosha
Arrangement:Shinichi Nagatsuka
出展:書籍『ベリー・フルーツ・季節の実ものフラワーアレンジ講座』
ベリー・フルーツ・季節の実ものフラワーアレンジ講座
誠文堂新光社 刊
ISBN: 978-4-416-71228-3
季節によって植物の実の色合いや種類が変わる日本。ベリー、フルーツ、野菜などを含めた、実ものをフラワーアレンジメントに取り入れることで、季節感はもちろん、空間のひろがりや豊かな表情をフラワーアレンジメント作品に与えることができます。難しそうに感じられる植物の実の扱いですが、コツをつかみ、基本の形を理解することでぐんと身近なフラワーアレンジの素材になります。