サイト内
ウェブ

擬洋風建築に焦点、明治期の龍翔小など全国に 龍翔博物館が春季企画展

  • 2024年5月28日
  • 北陸新幹線で行こう! 北陸・信越観光ナビ

明治期の擬洋風建築を解説する館長(左)=5月27日、福井県坂井市龍翔博物館【北陸新幹線で行こう!北陸・信越観光ナビ】
 明治期に福井県坂井市三国町にあった龍翔小学校をモデルに昨年リニューアルオープンした市龍翔博物館は、特徴的な洋風の建物の歴史を知ってもらう春季企画展を開いている。龍翔小と同時期に全国各地に造られた擬洋風建築の浮世絵と龍翔小の設計図面や建設中の写真を見比べられ、館長は「広い視野で歴史を捉えて考えてほしい」と来場を呼びかけている。6月9日まで。

 龍翔小は1879(明治12)年に落成した。八角形の5階建てで、ベランダやこうもり傘のような丸い屋根が印象的だったという。文明開化が押し進められていた明治前期は、国宝の旧開智学校校舎(長野県松本市)など、外国人居留地の洋館に似せてつくられた「擬洋風建築」が各地に建てられた。嶺北地方では、龍翔小のほか、現在の越前市に進脩(しんしゅう)小があったという。

 「三国で洋風建築だとG・A・エッシャー(エッセル)が設計したと思われがちだが、日本の職人たちの伝統的な技術が詰まっている」と館長。龍翔小の棟札には大阪府の職人の名前が残されている。

 78、79年ごろに撮影された建設途中の写真には、作業中の職人やベランダからのぞく子どもが写っている。生成人工知能(AI)でカラー化した写真からは、4、5階の窓には赤や青の色ガラスがはめ込まれていたことが分かる。同校で使われていたドアや手すりも展示され、細部までこだわった学校だったと分かる。

 館長は「海運業で財力があり、他地域の状況にも敏感だったことが三国に最先端の学校が建った理由だろう。全国の一連の流れと合わせて知ってほしい」と話している。
【北陸新幹線で行こう!北陸・信越観光ナビ】

あわせて読みたい

キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。

掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。
Copyright© 北陸新幹線で行こう! 北陸・信越観光ナビ