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Vol.95 新潟県五泉市の農園八兵衛

  • 2015年11月5日

 前回お伝えした「ゴマサバの滝登り」ツアー9月編。その行程のちょうどまんなか、新潟県新発田市でのライブを終えた翌日の9/24に、同じく新潟県の五泉市というところを訪れました。その目的は、この街で自然栽培によって野菜を育てている塩原悠一郎さんに会いに行くこと。

農園八兵衛の塩原悠一郎さん

 初めの出会いは今年の8/1、僕もライブで参加した、東京・吉祥寺での「Yes! Family」という暮らしをテーマにしたイベントでした。会場ではオーガニックな野菜のマーケットがいくつか展開されていたのですが、塩原さんも「農園八兵衛」として野菜を販売していました。そこで買って食べたチョコレートチェリーというミニトマトが、あまりにも美味しくて! そのときに「いつか畑に遊びに行きます」と宣言したことが、早くも叶いました。

 到着してまずはじめに、収穫間近のサトイモ畑を見せてもらいました。「大和早生(やまとわせ)」という品種で、大阪で生まれて北陸を経由し、今はおもに新潟県で生産されています。きめ細かくて、ぬめりが強いのが特徴。農協でブランドになると「帛乙女(きぬおとめ)」という名前に変わるそうです。

大和早生(やまとわせ)

 そこからは、塩原さんの軽トラックの荷台に乗って、畑のなかをぐんぐんと進みます。さっそく、たくさんのミニトマトを見せてもらいました。チョコレートチェリー、ホワイトチェリー、ステラミニトマト、さらにヨーロッパ原産のチャドウィックチェリー、サンマルツァーノなど。ミニトマトだけでこんなにいろいろあるんですね~。

 塩原さんは化学肥料や農薬を使わず、そこにいる微生物や虫と共存しながら、まさに自然のままの栽培を続けています。ほとんど除草をしないので、地面は土が見えなくなるほど雑草が生えています。野菜と雑草で養分の取り合いになることもありますが、吹き付ける風から守ってくれるという利点もあるそうです。

ミニトマト

 この連載のVol.27Vol.28「きこえる・シンポジウム 2012 冬」でも紹介しましたが、スーパーでよく並んでいる野菜はF1種といって、栽培するためにはその度に種苗会社から種を購入しなければなりません。しかし塩原さんは、次の年に向けて種採りができる昔ながらの在来種野菜を、たくさん育てています。

 種採りをするためには、たいていの野菜は収穫する時期を越えて、実が完熟するまで、あるいは種が着くまでそのままにしておく必要があります。沖縄生まれの島オクラは、茶色くしなびたオクラから黒い種がたくさん出てきます。これが次の年の種になるのです。ピーマンは熟すとたいてい「緑」から甘みの増す「赤」に変わるのですが、そのあとに自家採種できます。この日も真っ赤に色づいた伊勢ピーマンを見せてもらいました。

沖縄生まれの島オクラ

 ほかにも小田部大根、サツマイモの「紅はるか」、ジャガイモの「さやあかね」、そして人参、カーボロネーロ(黒キャベツ)、カリフラワー、ケールなどなど。

 これから寒くなりますが、「冬の畑もいい」と塩原さんは言います。冬になると鳥がいなくなって、あたりはシーンとした静寂に包まれます。けれども雪の下は賑やか。地表の温度は冬でもわりと暖かく、微生物が活発に活動して、土を再生してくれます。そこから掘り起こす、冬野菜のみずみずしさ。

 安心安全はもちろんですが、それよりも野菜本来の味を追求したいと言う、塩原さん。新潟市のマリールゥというお店に卸しているほか、新潟県内・県外問わず、いろいろなところで出店したりもしています。Facebookページもありますので、ぜひチェックしてみてください。

 今回初めて訪れた五泉市。いわゆる譜面として使う「五線紙」と響きが同じで、音楽をやっている自分としては親しみが持てます。市内のRe Ri Bagel(リリ・ベーグル)というおいしいベーグル屋さんにも立ち寄れて、楽しい旅になりました。今度は冬の畑の良さを感じられる時期に、また遊びに来れたらと思います。

Re Ri Bagel(リリ・ベーグル)




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