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Vol.48 マンスリーワンマンライブ - 環境音とサウンドインスタレーション

  • 2013年11月28日

 前回は自分の街でのどちらかというとアンオフィシャルなライブを取り上げましたが、今回は僕が普段行っている通常のライブについて書きたいと思います。ペースはとくに決まっていませんが、東京では年間20本ほど、地方は年に1回全国をまわることができればという感じで、他にイベントやフェスに呼んでもらえれば、そのたびに歌いに行っています。

 最近では、東京・下北沢のSEED SHIPというスペースで、8月から11月まで「マンスリー・ワンマンライブ」と題して、その名の通り月に1度ずつワンマンライブを行っていました。月ごとのテーマとなるタイトルを付けて。出来立ての新曲を2曲ずつ発表することをルールとして、他の曲もなるべく入れ替えたので、サポートしてくれたメンバーは大変だったと思います。


8月「夕顔とゴマサバと空心菜」

 そのメンバー編成は、基本的に僕がピアノボーカルで、マリンバにシーナアキコ、ベースに伊藤健太(ex.ゲントウキ)という、変則ピアノトリオ。ただし僕はピアノ以外にギター、ドラム、マリンバなども演奏しながら歌います。そのときはシーナさんがピアノに回ってくれたり、ときにはドラムを叩いてくれたり。視覚と聴覚を合わせて、パノラマなアンサンブルをお客さんに楽しんでもらえたらと考えながら、構成してきました。

 パノラマといえば9月と10月はライブのほかに、8個のアクリルスピーカーを放射線状に天井から吊るし、サウンドインスタレーションも行いました。今年の夏の「きこえる・シンポジウム」は小径木のヒノキのスピーカーでしたが、このアクリル製は10年ほど前、今より頻繁にインスタレーションを行っていた頃に作ったものです。それぞれのスピーカーから違った音が流れ、ときにはその音がくるくるといろんな速度で回転します。


9月「Sound Washer」

 例えば9月のインスタレーションの中では、環境音による10分間のワークショップを行いました。生活にまつわる音や街のノイズを、それらの聴こえる方角がいろいろあるように、各方向からひとつずつ増やしていくだけのシンプルな構成。それでもひとつひとつの音を意識することによって、人やモノだけではなくさまざまな「音」も、僕らの生活をやさしく守ってくれているということを感じてもらいたくて、制作しました。(環境音のなかにはVol.38で紹介した「とんもり谷戸」の音も混ぜています)

 新たに書き下ろしたものも幾つかあり、そのひとつは「Sound Washer」というタイトルの作品です。これはまず、我が家のWasher=洗濯機の上(正確には中蓋の上)にレコーダーを置いて、機械と水の音を録音します。次に8個のスピーカーから、くるりとひとまわりするとちょうど1回洗っているように、速さを変えたりしながらプログラミングで再現します。するとお客さんは自分が洗濯機の中に入ってしまったような感覚に。この日はさらに僕ら3人の即興演奏も重ねたのですが、ゆくゆくはミュージシャンを8人丸く並べて、洗濯機の音と交差しつつ、演奏を受け渡しながら回転するようにしたら面白いかもしれません。


10月「38のユリイカ」

 この「マンスリーライブ」自体も、僕にとっては初めての試みでした。それには僕が現在サポートとしてキーボードを弾いているGOING UNDER GROUNDの影響も大きいです。彼らも同時期にマンスリーワンマンライブを行っていたので、その積極的な姿勢にかなり触発されました。しかし結果的に短期間で、両アーティスト合わせて200曲近くを演奏することに!なかなか大変でしたが、この膨大な曲数はきっと今後の糧になるに違いありません。


11月「光の切れ端が跳ね返る音」

 来年以降はしばらく、冒頭に書いたライブのペースを増やしていきたいと考えています。そこで、マンスリーの追加公演のような形で決まった今年最後のワンマンライブを、「On And On」=この先も引き続き、と名付けました。僕のホームグランドのひとつとも呼べる、吉祥寺Star Pine's Cafeというライブハウスで、12/24のクリスマスイブ、メンバーを5人に増やして行います(詳しくはこちら)。フルバンドのワンマンとしてはなんと3年ぶり!ぜひぜひ、遊びに来てください。

(写真撮影 9月&10月:釘田沙來・杉野真結美 武蔵野美術大学 音めがね)




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