今年のうちに3回ほど、僕は自宅の近所でライブをしていました。そのひとつは、とあるグループホーム(老人介護施設) にて。そして自分の住む街で行われた夏祭りと、この秋の文化祭。告知は街の掲示板と回覧板くらいなので、シークレットライブとも呼べるかもしれません。
グループホームで歌ったのは今年の2月頃。入居しているのは認知症の方々がほとんどなのですが、皆さんで歌を歌う時間は毎日のように設けているとのことだったので、懐かしい歌の歌詞をお配りして一緒に歌いました。唱歌「早春賦」や、のちにNHK朝ドラ「あまちゃん」でも取り上げられた「いつでも夢を」など。とても盛り上がりました!自分の歌を聴いてもらうだけがライブじゃないんだなぁと、心から感じた時間でした。
夏祭りは、僕も所属している街の青年部の企画として出演しました。ステージはなんと、本来は盆踊りの太鼓を叩く櫓(やぐら)の上。同じ街に住んでいるギタリスト・星川薫さんとの出会いもあり、2日間に及ぶ夏祭りの2日目に2人で出演しました。ちなみに1日目は焼鳥を焼く班に参加。いずれもハッピ姿、、、見つかるとやや恥ずかしい光景ですが。
そして先月は体育館で行われた文化祭にも。星川薫さんと、この街出身のサックス奏者・平子健介さんとのセッションです。平子さん作曲のボサノバ、星川さんの歌うブルース、そして僕のオリジナルは少しにして、会場の皆さんと懐かしい歌の合唱タイム。これが一番の楽しみなのです。
文化祭に参加している方の平均年齢は60〜70歳。1970年代後半にこの街の大部分が造成され、そのときに一斉に入居された方が多く、高齢化が進んでいるのです。年齢は高くても皆さんお元気で、文化祭では油絵、書道、昆虫標本、鉄道模型、編み物、合唱隊のコンサートと、思い思いの表現が詰まっていました。
高齢者の方々のあいだでは、今再び「うたごえ喫茶」が流行っているようですね。定年退職された方達による「おじさんバンド」も流行っているので、生演奏付きのうたごえ喫茶もあちらこちらで開催されていると聞きます。その魅力を、今年は僕も味わうことができました。
これらのライブはいずれもボランティアなのですが、普段の僕のライブでも、例えば地方の小さな街へ行けば行くほど、無償で協力してくれる方たちがいます。人によっては地域貢献という意味も含まれているのかもしれません。その力を巡り巡ってお返しできるように、仕事と比べて少しの割合ではありますが、地域の役に立てていけたらいいなぁと思っています。