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Vol.100(最終回) 100枚のフィールドスケッチ

  • 2016年1月28日

 2012年の1月から書き始めたこのフィールドスケッチ・シェアリングもついに100回を達成。そして突然ですが、今回で最終回を迎えることになりました。地球の環境のことや、暮らしのことなどをテーマに、たとえば植物をスケッチするようにありのままを文章にして、読書の皆さんと情報や所感をシェアすること。それを念頭に置きながら4年間書いてきました。

 僕がeco検定(環境社会検定試験)に合格したのが2009年。それ以前から「きこえる・シンポジウム」という音楽とエコをテーマにしたイベントを数多く開催していたことから、この連載の話をいただきました。そのイベントはここ2年ほどおやすみしているので、このコラムが後を継ぐ形で、毎回違うテーマのシンポジウムを開催しているつもりでもいました。ということは100回のシンポジウムを今終えようとしている、、、急に達成感に満ちてきました(笑)。

 でも環境問題に達成や終わりなど、ありません。あるとしたら人類や地球が消滅するときでしょうか。諸問題のなかでもやはり突出しているのが、近年の急激な気温の上昇、そしてそれにともなうとも推測される多くの異常気象。雨の季節はなにか大きな災害が起きてしまわないか、いつもハラハラします。Vol.93で書きましたが、実際に昨年9月は、記録的豪雨により鬼怒川の堤防が決壊し、友人のお米農家・やまざきさんが甚大な被害を受けてしまいました。

 その後、9月から年末にかけての僕のライブで、お客さんにやまざきさんへの募金をお願いしてきました。そしてライブハウスやカフェなど、全国15会場で集まった金額(82.896円)を、先日やまざきさん夫妻にお渡ししてきました。協力してくださった皆さん、本当にありがとうございました! 今もやまざきさんの友人たちが、「チャリティ・キャラバン」と題した雑貨などの販売会を開催したり、「おこめやま応援金プロジェクト」という名前でファンド型の支援を呼びかけています。

おこめやま応援金プロジェクト

 地球の気候変動、いわゆる地球温暖化はとどまることを知りません。2100年までに、産業革命前に比べて上昇気温を2度以内に抑えられるかが課題になってきています。しかし今のペースでは、なんと4度上昇のシナリオに向かってしまっているそうです。4度。東京の夏の40度超えが、頻繁に起こりうる状態になってしまう世界です。もともと暑い国は、どうなってしまうのでしょう。

 パリで昨年12月に行われた、国連気候変動枠組条約締約会議=COP21。京都議定書が締結されたCOP3から18年も経つんですね。今までは先進国がおもに、温暖化の重要な原因とされる二酸化炭素(CO2)の排出制限義務を課せられることになっていましたが、今回の「パリ協定」ではすべての国が排出量削減目標を作り、提出することが義務付けられました。これは今までの気候変動対策のなかでも、大きな転換点になったと言われています。

 そうは言っても、上位5位の中国、アメリカ、インド、ロシア、そして日本だけで、世界の半分以上。震災後、CO2排出量の多い火力の発電量が増大している日本は、今後どう舵を取っていくのでしょうか。今年2016年は電力の全面自由化もスタートするので、どんな企業が本格参入するのか、そこもしっかりと見届けたいところです。

 国や企業の動きも大事ですが、ふと、僕はどうだろうと振り返り、反省の意味も込めてこんな風に声をかけてみます。

「最近のツアーは機材を積んでの車移動が増えてきてしまっているので、現地でピアノを借りて電車移動をもっと増やしてみては。」
「『風力発電の街』という曲を書くほど、風車を見に行くのが好きだったから、また出かけてみよう。」
「あれだけ山に登っていたのに、忙しさにかまけて街に埋もれていないか?」
「最近活用できていないけど、あらためてもう一度、グリーン電力証書で再生可能エネルギーを応援しよう。」
「マイボトルは使っているけど、マイバックはたまに忘れてない?」

 やっぱり人間として都市に生きていると、日々、自問自答です。連載100回を迎えた今、いろいろと自分の足元を見直す機会でもあるように感じてきました。そんなことを「きこえる・シンポジウム」などのイベントを再び開くとき、皆さんと語り合えたらと思っています。

HARCO(撮影:オグロエリさん)
(撮影:オグロエリさん)

 僕は音楽を変わらず続けていくので、今後もぜひ活動をチェックしていただけると、とても嬉しいです。コラムやエッセイを書くのは元来とても好きなので、僕のホームページでも久々に再開してみようかと思っています。いつでも、ふらりと遊びに来てくださいね。

 今まで連載を支えてくださった「緑のgoo」の皆さん、いつも原稿を中継してくださったライターの兼田達矢さん、どうもありがとうございました。そして今まで4年間、読んでくださった皆さんにも本当に感謝しています。またどこかでお会いしましょう!

 ゴール地点は次へのスタート地点。描いてきた100枚のフィールドスケッチを脇に抱えて、僕もまた歩いていきます。




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