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Vol.3 きこえる・シンポジウム×チャリTV 2011 冬 in 東京

  • 2012年2月9日

 前回の続きということで、自主企画イベント「きこえる・シンポジウム×チャリTV」の東京編について書きたいと思います。

 復興支援をテーマに仙台と東京で開いたこのイベントですが、この日が仕事納めのお客さんも多かった12/28、下北沢SEED SHIPにて行いました。トークゲストはNPOカタリバ代表の今村久美さんと、ふんばろう東日本支援プロジェクト代表の西條剛央さんです。

 NPOカタリバは今まで、ボランティアの大学生を募って中学や高校でカタリバという特別授業を開き、そのコミュニケーションのなかで自分の将来への関心を深めてもらうという、いわゆるキャリア学習の機会を創り出してきました。その経験を生かし、震災後は宮城県の女川町と岩手県の大槌町というとくに被害のひどかった地域に、コラボ・スクールという放課後学校を作り、子供達に学びの場を提供してきました。

写真左からから今村さん、西條さん、山田さん
写真左からから今村さん、西條さん、山田さん

 カタリバ代表の今村さんにお話を伺って驚いたのは、コラボ・スクールを作るにあたって、行政に許可をもらって実際に避難所に暮らし、どこでどんな風に学びの場を提供したらいいかと入念に調査を重ねていたこと。実際に学校を開いたあとも、今村さんは現地に住み続けています。

 そのうちに街を限定し、空いている学校や公民館を探し、同時に職を失った方々の中から経験やスキルのある方を募っていきました。壊れて荒れた道があるために、当初から子供達を乗せる送迎バスが欠かせなかったそうですが、かなりの費用がかかるという現実的な面が今もあるそうです。

 それでも人材は足りなくて(とくに大槌町)、常に全国各地からボランティアを募集しているそうです。ちなみに僕が女川コラボ・スクールに歌いに行ったときも、職員室には先生を経験したたくさんの方の写真が貼られていました。まさに今、受験勉強の追い込み期間ですね。(コラボ・スクールについては前回も取り上げているので、合わせて読んでみてください)

 ふんばろう東日本は、仙台出身であり普段は大学院で心理学や哲学の教授をしている西條さんが、震災後の3週間ほど経ったある日、車に積めるだけの物資を積んで初めて南三陸町を訪れ、その翌日に立ち上げました。実はそのとき、このイベントの共同主催でもあるチャリTVの山田エイジさんも同行していたそうです。

 その頃は、比較的大きな仮設住宅では徐々に物資が行き届くようになっていましたが、小さな仮設住宅や借り上げ住宅、津波で半壊した家の2階に自宅避難されている方などに支援が間に合っていないことも多く、場所によってかなりの格差があること、そしてそれがなかなか報道されないという現実を痛感したそうです。

きこえる・シンポジウム×チャリTV 2011 冬 in 東京
 そこで行政だけに頼らずに効果的に物資を届けるために、ツイッターをはじめとしたインターネット環境と連動させた効率的なシステムを作りあげます。このイベントの日の時点ですでに物資を3万5千回くらい送ったということですが、特にこの冬は冬物家電に焦点を絞って、こたつやホットカーペットの支援を全国から大量に募っていました。

 ほかにもふんばろう東日本にはさまざまなプロジェクトがあります。地元の自動車学校に掛け合って、無料で重機の免許を取ってもらい、がれき撤去の雇用を生み出すことに繋がった「重機免許取得支援プロジェクト」。さらに学習支援をしたり、ガイガーカウンターを送ったり、被災地とその他の地域を「おたより」で繋いだり。パソコンを送ってインフラを整備させていくという支援もあり、カタリバでも授業にパソコンを使うこともあるそうで、そういったお互いのコラボレーションも出来たらいいなぁなどと、トークは盛り上がって行きました。

 今回の出会いを通じて、今年はふんばろう東日本のなかのプロジェクトと、僕の音楽活動のあいだでもコラボレーションを始めています。そのことなどについて、次回はお送りしたいと思います。



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