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宇宙の誕生と終焉のカギなのかも。
宇宙の謎、といえばブラックホールです。ブラックホールそのものは光を発しないため、私たちの目で見ることはできませんが、何か他のものと相互作用する際に大きなエネルギーを発することがあります。
近年、 NASAやESA(欧州宇宙機関)といった機関が、超大質量ブラックホールが巨大な星を食い尽くすという衝撃現象を3例も発見しました。
いずれも、超新星100個分以上のエネルギーを放出しており、これはビッグバン以降で最大エネルギーの宇宙爆発と考えられています。
3つの超大質量ブラックホールはいずれも地球から遠く離れた銀河の中心に位置しており、太陽の3倍から10倍の重さの星を破壊した際に突然明るく輝き、数カ月間その明るさが続いたそうです。
こういった珍しい現象は「極限核トランジェット」と呼ばれ、今までにない宇宙現象です。極限核爆発の研究が進めば、普段はおとなしくしている超大質量ブラックホールの正体を解明できる可能性も。
そのうちのひとつが、今年5月にNASAがハッブル宇宙望遠鏡とチャンドラX線観測衛星を併用して発見したブラックホール。これは、通常のブラックホールとかかわりの深い超新星爆発ではなく、潮汐破壊現象によって起きたものでした。
これまで知られてきたブラックホールは銀河の中心に存在し、物質、ガス、そして恒星を引き寄せる一種の重力核として存在していました。しかし、地球から6億光年離れた場所で発生した潮汐破壊現象(通称「AT2024tvd」)は、ブラックホールの重力によって恒星が引き裂かれる形で発生したのです。
さらに、これが銀河の中心から2600光年離れた場所で発生したことも、とてもレアな発見。銀河をさまようブラックホールが引き起こした現象といえるため、非常に画期的な出来事なのです。
こうした現象が銀河で起きると、星の破壊によって発生する高エネルギー光が100日以上かけてピークの明るさに達し、さらにその半分の明るさになるまでに150日以上かかります。そして、高エネルギー放射線が環境に与える影響により、望遠鏡で検出できる低エネルギーも放射されることに。
これらの現象は非常に明るく、紫外線だけでなく、より波長の長い赤外線でも検出できるため、遠方の初期宇宙でも観測できる可能性があります。
たとえば、強力な赤外線感度と広い視野を持ち、2026年か2027年に打ち上げが予定されているローマン宇宙望遠鏡なら、120億年以上前の極限核爆発も発見できるかもしれません。
そうなれば、恒星や銀河、ブラックホールがどのように形成され、進化してきたかを知るための手がかりがつかめるようになるでしょう。
ブラックホールは宇宙の大きな謎であり、宇宙誕生のカギを握る存在なのです。私たちが生きている間にどれだけ解明されていくのか、楽しみです!
Source: NASA via Econews
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