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Marshallの音の体験を、リビングルームへ。
Marshall(マーシャル)にとって初となるサウンドバー「Heston 120」。
あの「マーシャル」からまさかのサウンドバー。リビングでロックの息吹、感じる まるで平たくなったJCM2000!この頃、マーシャル(Marshall)のロゴが入ったワイヤレスヘッドホンを街中でよく見かけます。 スタジオではなく街中であのシボ×ゴールドの意匠を見かけると、ついうれしくなってしまうものです。 その喜びが、リビングで味わえるようになるとは誰が予想できただろうか。マーシャル、なんとサウンドバーに参入です。ブリティッシュサウンド in ホーム マーシャルブランド初 https://www.gizmodo.jp/2025/05/marshall-heston-120.html今回その発表会を含むプレスツアーに参加させていただけたんですが、ただの発表会ではありませんでした。Marshallの開発者の方からHeston 120のコンセプトやこだわりを直接うかがえただけでなく、Marshallというブランドがたどってきたストーリーや文化、そしてそれが21世紀にどうアップデートされていくかを、目の当たりにした2日間だったんです。
Image : Kazumi Odaこの記事ではHeston 120をご紹介しつつ、その背景にあるMarshallの歴史や考え方もお伝えできればうれしいです。
元々ギターアンプメーカーとして1960年代から支持されているMarshallですが、2010年からはヘッドホンやBluetoothスピーカーといったオーディオ製品にも進出。
Image :Marshall Group Image : Kazumi OdaそのMarshallが新たに、サウンドバー「Heston 120」を開発したんです。
まず開発コンセプトについて、製品開発リーダーのマーティン氏がプレゼンしてくれました。
Image: Kazumi Odaマーティン氏によれば、Heston 120の開発にはリサーチや試作などで3年半を要したとのこと。他社からはすでにいろんなサウンドバーが出てはいますが、マーティン氏いわく「似たりよったりの製品が多く」「音楽向けに作られていない」状態です。Marshall製品を愛用するユーザーの間でも、サウンドバーは欲しいものリストの上位に上がっていました。そこで、音的にもデザイン的にもMarshallとして満足できるサウンドバーを作ろう、となったわけですね。
Heston 120はMarshallのアンプを彷彿とさせるデザインで、ゴールドのロゴが光ります。アンプと共通するのはロゴだけでなく、レザー風の質感や、「フレット」と呼ばれる前面の網目素材(原料は紙)、ダイヤルによる操作も同じです。こういった物理的なUIや、異なる素材の手触り感、テクスチャーを大事にしたとマーティン氏は強調していました。
とはいえ、サウンドバーとして、AirPlay 2やGoogle Cast、Spotify Connectなどなど、さまざまなサービスや規格への対応は欠かせず、このあたりも妥協なく作ったと言います。またもちろんアプリもあって、EQ調整やプリセットの設定だけでなく、部屋の環境に合わせたチューニング機能(ルームコレクション)も可能になっています。
音に関しては、エンジニアのエド・キャンファー氏が解説してくれました。エド氏のチームは、音楽をきっちり鳴らせるサウンドバーを作るべく、既存のサウンドバーを大量に聴き込んで、良いところ・悪いところを分析していったそうです。Marshallはこういう音!と決め打ちではなく、幅広くいろんな音を改めて聞いてみて、自分たちの基準を確かめていくのは大変な作業だったと想像します。
結果、まずはやっぱり低音が気になり、低音ドライバーだけで17パターンも試作していきました。Heston 120は11基のスピーカードライバーで構成されていますが、低音以外のドライバーもすべてカスタムで作られています。
Image: Kazumi Odaサラウンドサウンドに関してはDolby AtmosやDTS:Xに対応していますが、Dolby Atmosは映像コンテンツ向けと音楽向けで仕様が異なるため、それぞれに特化したチューニングがなされています。Dolby Atmosに関しては、「元々映画用に作られた規格だと考えていたため、音楽には適しているのか懐疑的だった」とエド氏は振り返ります。でもMarshallの持つレコーディングスタジオも使ってDolby Atmos for Music向けに制作した曲を聞いたところ、楽器の音がしっかり分離されてそれぞれの空間で聞こえ、これで行こう!と決断できたそうです。
サラウンドではないステレオの音も精緻にチューニングを行い、音がベストの状態で聞こえるスウィートスポットを広げるべく構成していきました。まとめると、映画やTVでも、Dolby Atmosの音楽もそうじゃない音楽も、良い音で聞けるように作られてるということですね!
この発表会では試聴もさせていただけて、たしかに(少なくとも私のカーステレオで聞いてるよりはるかに)音の広がりがあって、個々の楽器や声がしっかり聞き分けられる感じがしました。発表会参加者がそれぞれ聞きたい曲を言っていく流れだったんですが、他の方がわりと重低音強めな曲をセレクトしていたので、私は日本のシティポップをかけていただきました。
Image: Kazumi Oda低音から音作りをしていったというHeston 120だったので、女性っぽい曲はどう聞こえるんだろう?と思ったんですが、松原みきのボーカルや女声のコーラスも明らかに奥行きが感じられて、いわゆる「Marshallっぽい音」だけではなくすべての音がしっかり聞こえるように作ったというエド氏の解説も納得でした!
またDolby Atmosのサンプルとして『スター・ウォーズ』のコロシアムでのバトルシーンを見せていただいたんですが、すべての音がこのHeston 120から出ているとは思えない、じつは壁一面にスピーカー埋まってるの?と思うほどの立体感でした。
なおサウンドモードはコンテンツや状況に対応し、Movieモード・Musicモード・Voiceモード(会話が聞き取りやすい)・Nightモード(音が響かない)の4つが用意されています。音楽を存分に楽しみたいときだけじゃなく、周りの人に気を使うときもちゃんと聞けそうです。
Heston 120の本国イギリスでの価格は899ポンド、日本向けだと16万9990円。わりと思い切らないと買えないお値段ですが、マーティン氏はHeston 120は「世代を超えて使ってほしい」と言います。長持ちすべく作った(Built to last)ということで、パーツの接合には接着剤ではなくネジを使うなど「修理しやすさ」も考慮されています。またプラスチックやマグネットはリサイクル素材を使うなど、環境にも配慮が。
Image: Kazumi Oda Image: Kazumi Odaまた今後はよりサイズの小さい「Heston 60」やサブウーファー「HESTON Sub 200」の発売も予定しているとのこと。日本の住宅事情(そして円安)を考えると、小さめのHeston 60にはとくに期待が高まります。ちなみにHeston 120とか60といった数字は「本体の容積を表す」とのことなので、「60」は容積がHeston 120の半分、ということのようです。
この発表会に先立ち、Marshallブランドの歴史に触れるべく、1962年から続くアンプの自社工場も見学させていただきました。工場はロンドンから北に2時間弱移動した郊外の街、ミルトン・キーンズにあります。
Image: Kazumi Oda Image: Kazumi Odaここでは、Marshallアンプ誕生までのストーリーもうかがうことができました。創業者のジム・マーシャル氏は十代の頃から電気技師として働くかたわらドラム奏者でもあったのですが、そこからドラムの指導者になり、さらに転じてドラム販売店を開くに至ったそうです。その店の常連だったミュージシャンのピート・タウンゼント(ロックバンド・The Whoのギタリスト)らの要望を元にギターアンプの開発へと乗り出し、試行錯誤の末に「Marshallサウンド」と呼ばれる音を完成させたんです。
Image: Kazumi OdaそのMarshallサウンドは、今も多くの工程が人手で作りだされていました。じつは今、音楽を演奏するためのギターアンプより、ヘッドホンやスピーカーといった音楽を聞くための道具のほうが、Marshallグループの売上という意味では圧倒的に大きいそうです。それでもMarshallの原点であるギターアンプは、こうして職人さんの手でひとつひとつ丁寧に作られているんですね。
Image: Kazumi Oda工場には20年、30年と勤めあげる人も多いそうで、案内役となってくれたスティーブ・ヒル氏はなんと勤続40年とのこと。
Image: Kazumi Odaこの工場ではアンプの修理も受け付けていて、スティーブさんは「Marshallのものなら、どんなアンプでも修理するよ」と胸を張っていました。このあたりの精神も、Heston 120のプレゼンで言われていた「Built to last」の根底にあるんでしょうね。
そんな深い歴史を持つMarshallですが、創業者のジム・マーシャル氏が同時代のミュージシャンの声に耳を傾けていたように、現在も若いミュージシャンとの強いつながりを持っています。
ミュージシャンとMarshallのパートナーシップは直接・間接にさまざまな形がありますが、今回のツアーでは、Marshallが後援するふたつのライブに参加させていただけました。ひとつはイギリスを代表する独立系レコードショップ・ROUGH TRADE(EAST)。
Image: Kazumi Odaこちらはライブスペースが併設されたレコードショップで、この夜はビリー・ノーメイツのライブ。パワフルな歌唱が印象的でした! UKのDIY精神あふれるパンク/ニューウェーブを継承しつつ、現代的なエレクトロやヒップホップの感性も併せ持つ、唯一無二のソロアーティストです。
Image: Kazumi Odaもうひとつのライブはイーストロンドンのパブ、The Old Blue Last。
Image: Kazumi Odaこちらは週1回の「Marshall Day」として複数のバンドが参加していました。
Image: Kazumi Oda私たちが到着したときはかなりハードなロックバンドが演奏中で、そのエネルギーに圧倒されました。
Image: Kazumi Odaそんなこんなで、モノ作りのコンセプトから実際に作る現場、音が音楽として共有される舞台まで体験させていただいて、楽しすぎるツアーでした。
Image: Kazumi Odaでも何より響いたのは、こうして伝統をいろんな角度から温めつつもアップデートして新たなMarshallを作っていこうとする、中の人たちの心意気だったかもしれません。
Source: Marshall Official Website
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