Razer Blade 16の2025年モデルが、今月末にアメリカで発売されます。日本では現段階(4月9日)では、まだ発売が明らかになっていません。ですが、去年モデルも出てますし、きっと出る…はず。
米Gizmodo編集部が一足先に触ってきたので、レビューをお届けします。
…これは難しいレビューとなりました。Razer Blade 16を使ってみた感想は、大好きだけど大嫌い。
まず愛すべき点として、CPUはAMD Strix Point、GPUはNvidia Blackwell 5000シリーズという、今最もパワフルなパーツが2つ搭載されていること。
AI機能ゴリ押しの昨今ですが、ゲーマー、クリエイター、ビジネスユーザーからも目を惹く端末になっています。OLEDスクリーンは見ているだけで素晴らしいし、キーボードの使いやすさもポートの種類も大満足。
では、どこが大嫌いなのかというと、まずオーディオ。6つのスピーカーシステムがあるので、もっと大きい音が出ると期待したのですが出ない。そのくせ冷却ファンの音は大きくて気になるというね。
ゲームするにも仕事するにも、バッテリー持ちがいまいちなのも残念。何よりも問題なのが価格。シンプルに高いです。アメリカでは2,999ドル(約43万7000円)ですが、今回のレビュー端末の構成だと4,499ドル(65万6000円)。プレミアムゲームラップトップなのはわかりますけど、それにしても高いよー。
この世に絶対はないけれど、Razer Blade 16のCNC加工ブラックアルミニウムは絶対的に美しい。Razer Bladeは、よくゲーマーのMacBook Proといわれますが、デザインの美しさも含め、それには激しく同意です。ゲーマー向けなので、りんごマークではなく3頭の蛇ロゴ。開くとRGBライティングのキーボード。
ポートはUSB-Cが2つ、USB-A 3.2が2つ、SDカードリーダー、HDMI 2.1、イヤホンジャック、電源ポート、ケンジントンロック対応。
Image: Sherri L. Smith / DreamSmith LLC重さ4.6ポンド(約2kg)のBlade 16は、厚さ0.59インチ(約15mm)でBlade史上最薄を記録。前モデルから30%小さく、15%軽くなっています。ただしMacBook Pro 16と比べると、薄いけど重い。
GPUにはNvidia GeForce 5090を採用。今の市場で最もパワフルなモバイルグラフィックチップです。できないことはないと言っても過言ではないかも。電力性能とAIによるニューラルレンダリングのために開発されたNvidiaの新アーキテクチャ「Blackwell」が採用されています。
『黒神話:悟空』と『サイバーパンク2077』を除くレビューで試したすべてのゲームで、最高設定で平均フレームレート100fps超え。『黒神話:悟空』と『サイバーパンク2077』も、NvidiaのAIフレーム生成技術DLSSをONにすると、フレームレートが他のゲームと同等まで上がりました。
覚えておきたいのは、ゲームだろうと動画編集などの仕事だろうと、グラフィック負荷の高いタスクをするとファンが唸り出します。ベイパーチャンバーが頑張っているし、ファンも頑張ってるんですが、それでもアルミニウムのシャーシはかなり熱くなります。
GPUだけでなく、CPUも忘れちゃいけません。2.0GHzのAMD Ryzen AI 9 HX 370、メモリは32GB。AMDの新しいStrix Pointプロセッサで、薄くて軽いラップトップ向けにデザインされたチップ。GPU、CPU共にAI主張ではありますが、電力効率もパフォーマンスも上々。Google Chromeで75個タブを開いて、SNSしながら、G-Suiteドキュメント開きながら、動画も見たけどなんともありませんでした。
Razer Bladeなのでゲーム寄りの話になりがちですが、そもそもこの性能ならクリエイターからも重宝されます。16インチのOLEDディスプレイ(2560×1600)のビビッドな色の美しさも申し分ないはず。
『SAKAMOTO DAYS』『パラダイス』『Found』を見ましたが、色もコントラストも素晴らしく、エンタメ画面としても良し。もちろん写真・動画編集タスクにも良し。画面のリフレッシュレートが240Hzな上に、NvidiaのG-Sync対応なので、『アサシン クリード シャドウズ』をプレイしていても、画面の歪みや遅れは一切感じませんでした。
Image: Sherri L. Smith / DreamSmith LLCすべてが完璧なんてこの世にないとしたら、Blade 16はバッテリーが弱点。日常的なオフィス使い性能を測るベンチマークテスト「PCMark 10 Modern Office」を、画面の明るさ50%で実施したところ、バッテリー持ちは3時間36分。これをゲーム中心でテストすると、たったの1時間24分。実際のオフィス使いでは4時間持ったものの、それでも4時間。これ、さすがに弱いですよね。
ゲーマーとして物足りなさを感じたのは音。6つのスピーカーとスマートアンプを搭載しており、空間オーディオにも対応しているものの…、そもそもの出音が小さい。去年モデルのRazer Blade 18や手持ちのMacBook Pro 16(2023年モデル)と比べても、やっぱり小さい。これにはかなりがっかりしました。
バッテリー持ちの弱さは、ゲームラップトップにはよくある話。ただ、オーディオはもうちょっと頑張ってほしかった。もしくは、せめてファンは静かにしてほしかった。高価格帯の端末だけに、ちょっとした弱点がとても気になってしまいます。
いいところ:Razer Blade史上最薄。ゲーム性能はもちろん全体的な性能も満足。OLEDスクリーンきれいすぎ。明るいバックライトのキーボードが使いやすい
残念なところ:バッテリー持ちが短い。音が小さい。高い!高い!高い!
書籍(Kindle版もあります)Source: Razer