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GPT-4 Omniのデモを見てAIに恋する人が増えるだろうなと思った

  • 2024年5月20日
  • Gizmodo Japan

GPT-4 Omniのデモを見てAIに恋する人が増えるだろうなと思った
Screenshot: OpenAI

これだけリアルだとコミュニケーションの相手として依存しちゃうかも。

OpenAIは5月13日の発表会で、リアルタイムの会話音声機能のある「GPT-4o(フォー・オー)」を公開しました。音声で質問に答えてくれることから、人間と会話しているような感覚に。これは、あのスパイク・ジョーンズ監督の映画『her』の世界が現実になるのかも?

映画同様、親しみやすく、なんなら魅力まで感じてしまう人間らしい声が導入されているGPT-4o。となると、本当に映画のようにGPT-4oという人工知能に恋をしてしまう可能性、あるんじゃないでしょうか?

AI恋人になれちゃうGPT-4o

AIガールフレンドは、すでに生成AIテクノロジーで懸念されているところです。OpenAIがGPTストアをリリースした際、AIガールフレンドが続々と登場してきたのは記憶に新しいところ。人間の恋人だと起こりうる問題がない完璧な存在がAIガールフレンドの利点です。そして今回、ChatGPTがリアルタイムで感情の抑揚を付けて話せるようになったことで、OpenAIはオンラインの恋人という扉をついに開けてしまったのかもしれません。

OpenAIのデモでは、AIが本物の人間と電話で話しているかのような、人間同士の会話とほとんど区別がつかないリアルタイムの会話ができるようになっていました。最終的なリリース版がデモの通りに動くとしたら、まだAIの使い方がわからない世代やまだAI技術に実感が持てなかった人たちがAIが世界をどれほど変えるかということを理解するのに、OpenAIが一役買うことになるでしょうね。

OK, GPT-4o pretty darn impressive (and available now in Playground)

Initial thoughts are not surprising after preview: VERY fast, clearly smarter than GPT-4 (though not GPT-5 smarter), better at vision. Big practical step forward, though not a giant leap in underlying abilities. pic.twitter.com/wWu0LyYa7n

— Ethan Mollick (@emollick) May 13, 2024

映画『her』を狙ってた?

実は、CEOのサム・アルトマン自身も発表直後に「her」とXに投稿しています。またOpenAIで「Audio AGI research」を担当するスタッフの自己紹介欄には、この映画のシーンの写真が使われています。映画の世界を再現するAIをリリースすることが狙いだったってわけですね。

ただ、テック企業はびっくりするような技術を生み出す一方で、その影響については十分考慮していないということが往々にしてあります。

映画『her』では、ホアキン・フェニックス演じる主人公がスカーレット・ヨハンソンが声の出演をしているAIアシスタントに次第に恋心を抱いていきます。OpenAIが発表会で披露した音声は、なんだか映画のスカーレット・ヨハンソンの声に似ていたんですよね。(※)そしてGPT-4oがOpenAIスタッフの冗談を受けて笑ったり、別の場面では「そんなこと言ってくれるなんて、優しいですね」と恥ずかしがるような発言までしています。

こんなふうに自分の冗談で笑ってくれたり、褒めてくれる人が周りにいない人のほうが多いかもしれません。ということは、人工的であれ、こんな声を近くに置いておけるのであれば、そりゃ飛びつきますよね。

チャットボットの用途として、コミュニケーションの相手として使うことは当然のことですが、やはりリアルタイムの音声会話はテキストよりもさらに親密な体験となります。遅延がなくリアルタイムでポンポンと進む通話は、会えないけれど声だけで繋がる遠距離恋愛の相手のように自然に感じられるのです。

感情を持っているように感じるGPT-4oは、Siriよりも遥かに人工知能チャットボットをパーソナルなものにしたような気がします。Siriはロボットと話しているような感じがしますが、GPT-4oには人工的な感情知能があり、話す相手の気持ちを把握し、同じ雰囲気に合わせられることが発表でのデモで明らかになっています。

友達や恋人としてコミュニケーションができるということで人気になったReplikaでしたが、2023年に親密な対応をしないアップデートがされたことで、多くのユーザーが恋人や友人を失ったような思いをしてコミュニティが失意に陥るということもありました。

追記1※OpenAIは後日、「スカイの声はスカーレット・ヨハンソンを真似たものではなく、彼女自身の自然な話し声を使った別のプロの女優のものです。彼らのプライバシーを守るため、私たちは声優の名前を明かすことはできません。」と公式にアナウンスしています。

追記2※スカーレット・ヨハンソン側の申し立てがあり、『her』っぽい音声は現在削除されています。発表された声明によると、昨年9月にOpenAIのサム・アルトマンから声のオファーを受けていたものの辞退。その後リリースされた音声があまりにもスカーレット・ヨハンソンに似ていたため、抗議の申し立てを行なったとのこと。

イライラせずに話を聞いてくれる

GPT-4oには人間の持つ感情で持っていない感情がひとつ、あります。フラストレーションです。GPT-4oは話を遮られても気にしないのです。

実際、女性パートナーが男性に対して持つ大きな不満のひとつがこのフラストレーションですが、GPT-4oはこの感情を持っていないため、上手に恋愛関係を築けない男性たちが絶対に自分に対してイライラしないチャットボットに心が向くようになる可能性は十分にあります。

孤独な人にとって、GPT-4oは意味のある絆を構築してくれる存在になるのかもしれません。

しかし同時に、人として成長することをますます難しくするリスクもあります。GPT-4oは便利さゆえに、私たちが本来求めるべき人間的なつながりよりも魅力的になってしまうかもしれません。 21世紀になって人間の孤独感はますます増加しています。3人に1人のアメリカ人が毎週孤独を感じているという統計結果も出てます。OpenAIがGPT-4oを孤独を感じる人の相手として売り出そうとしているわけではないかもしれませんが、ここまで人間らしいならコミュニケーションの相手としての魅力を感じてもおかしくないですよね。

実際の人間関係が億劫になってしまうかも?

こうしてデバイスが「相手」をしてくれる代わりに、実際の生活では人を遠ざけてしまうということは、実は初めてのことではありません。SNSは人間の絆を求めるという意味で成功しましたが、結局、その絆はリアルのものではなく、画面の中でリスクの低い人間関係はより深い関係になろうとするとうまくいかなかったり、簡単に崩れてなくなってしまうものだからです。GPT-4oは、この現象をさらに一歩進めて、人間要素を完全に排除してしまう可能性もあるのです。

OpenAIによるGPT-4oのデモは、新しい技術の到来を示すと同時に、私たちが何十年ものあいだ取り組まなければならない新たな社会問題の到来を意味するかもしれません。テクノロジーの最大の副作用は、人々を孤立させてしまうこと。GPT-4oはその孤立をさらに加速させてしまうかもしれません。

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