最近、英国ではキツネをペットとして飼う人が増えています。しかも、ただのキツネではなく、「世界最小のキツネ」と呼ばれる種類です。
フェネックは、サハラ砂漠で生息するキツネ。大きな耳とふわふわのしっぽを持ち、体長は30〜40cm程度と小型で、「世界で最も小さなキツネ」といわれています。
英国では、このフェネックを輸入してペットとして飼うことが認められています。かわいらしい見た目に加えて、人懐っこくて、しつけも可能なことから、犬や猫に代わるペットとして飼い始める人が増えているのだそうです。
しかし専門家は、この事態について警鐘を鳴らしています。というのも、フェネックはもともとサハラ砂漠で生息している動物なので、高い気温の中で砂の上で生活することに慣れていて、穴を掘ることが好きなのだそう。
そのため、彼らを健康的かつ幸せにするには、環境が全く異なる英国の家庭は向いていないというのです。フェネックを快適に生活できるようにするためには、温かい気温を維持するほか、エサにも非常にコストがかかるそう。
また、本来は最大で10匹の仲間と群れで生活するのに、単体で生活するかのように1匹だけで販売されるのも不自然なこと。おまけに、正しく飼育しないと、飼い主に牙をむいて襲う危険な動物になる可能性もあると、専門家は指摘しています。
フェネックを輸出する世界最大の国はスーダンで、これまで輸出されたフェネックは2359匹。中国や米国をはじめ、世界の国々に渡っているそうです。
「見た目がかわいい」「小さくてちょうどいい」など、人間の都合だけで売買される動物たちは、本当に幸せなのかどうか? 改めて考えるべきなのかもしれません。
【主な参考記事】
Daily Mail. Forget dogs, now Britons are importing FOXES as pets: Fennec foxes from the Sahara entice people with their ‘cute’ ears and fluffy tails – but experts warn they make TERRIBLE pets and can even attack owners. December 6 2023