秩父にはたくさんの寺社があり、街中を歩いていても多くの寺院と出会います。市街地から少し離れた場所にある三峯神社は、秩父三社の一つで、古くから信仰を集めてきました。関東の中でも有数の強い“気”が流れるパワースポットとしても有名で、多くの参拝者が訪れます。街歩きとデトックスの旅に、三峯神社を訪れましょう。
三峯神社の創建は約1900年前といわれ、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)と伊弉册尊(いざなみのみこと)を、日本武尊(やまとたけるのみこと)がお祀りしたことが始まりとされています。景行天皇の命で東国の平定に向かった日本武尊は、碓氷峠に向かわれる途中に三峰山に登り、遠くまで広がる山々や、その合間を縫って流れる川の美しさに心を打たれ、国を生んだ二神を偲んで仮宮を建立し、祀ったと伝わっています。
三峯神社の境内は広く、凛とした空気の中を散策するのはとても気持ちの良い時間。境内の入口となる三ツ鳥居は、明神型の鳥居が3つ組み合わさった珍しいもの。この下をくぐり、石灯篭の並ぶなだらかな上り道を上がると、奥宮を遥拝する遥拝殿と隨神門があります。また、その先には大きな日本武尊の銅像が訪問者を見守ってくれています。
1691(元禄4)年に建立された隨神門の左右には隨神像が安置され、その前には三峯神社神使の狼像が並びます。杉林の中に立つ荘厳な門は、足を止めてゆっくり鑑賞したくなる美しさです。
隨神門をくぐった先には、大きな御神木に守られるように立つ本殿・拝殿があります。1661(寛文元)年に造られた本殿は、一間社春日造り。その後、1800(寛政12)年に建立された、祭祀を執り行う拝殿は、極彩色の装飾が見事で神社の品格が漂います。さらに奥へ進むと、コーヒーがいただける小教院やえんむすびの木などがあります。
拝殿の前には、両脇にそびえ建つ樹齢約800年の御神木があります。参拝を済ませたら、御神木の前に立ってパワーをいただきましょう。心を穏やかにして大きな御神木に相対すると、神秘的なパワーが受け取れそうです。拝殿に向かって左側の石畳には、水をかけると龍の顔が浮かび上がる場所があります。2012年の辰の年に突然現れたという不思議な龍を見ることもお忘れなく。
拝殿からさらに山道を登っていくと、えんむすびの木を見つけることができます。参道横には拝所があり、その後ろにあるモミの木と檜の木がぴったりと寄り添っています。なんとも愛らしいえんむすびの木から、恋のパワーを受け取るのもいいですね。
隨神門の反対側にある遥拝殿からは、妙法ヶ岳の山頂に鎮座する奥宮を拝むことができ、その周りには妙法ヶ岳をはじめ、秩父の山々と市街地の絶景を望むことができます。春と秋の早朝には、雲海が見られる確率が上がり、それを目当てに訪れる人たちも多いとか。天気をチェックして鑑賞に出かけてみるのもいいですね。
参拝の記念に、三峯神社の神使である狼が描かれた御朱印をいただきましょう。また、神社の御神木が入った強い気を持った「氣の御守」は、赤、緑、桃、黒の4色があります。自分にはもちろん、大切な友人や家族のためにいただくのもいいですね。
参拝や境内の散策を終えたら、拝殿の奥にある小教院でひと休み。小教院では、三峰山の湧水で入れたおいしいと定評のあるコーヒーを堪能しましょう。もうひとつのおすすめは、湧水で淹れたコーヒーで作る小教院特製コーヒーゼリー。ほどよい甘味とすっきりした苦味のバランスが絶妙で、コーヒーのお供にもぴったりです。1日限定20個なので、お早めに。
三峯神社ではゆっくり時間をとって、境内散策やカフェでの時間を満喫するのがおすすめです。