洗練されたディスプレイに時間を忘れてしまいそうになる「フローラル アンティークス」。英国で買い付けたアンティークのティーセットやガラスの器、人気作家のカードやブローチなど日常に取り入れたくなる英国発の品々が、そのストーリーを語りかけてくるような素敵なショップです。静かな住宅街のなかの一軒家を訪ねてみませんか。
鶴岡八幡宮の東鳥居からすぐの住宅街にたたずむ英国のアンティークショップ「フローラル アンティークス」。細い小径をはさんだ向こう側は鶴岡八幡宮の敷地という観光客の多いエリアとは思えないほど、この一帯は人通りも少なく静かな住宅街になっています。
白い「FLORAL」の看板を目印に季節の花が咲くアプローチを進んだ先がショップの入り口です。昔ながらのガラス戸に日本家屋の風情が漂います。
このショップの店主・勝俣れなさんがイギリスで買い付けたアンティークの食器をはじめ、繊細なレースのテーブルクロスやクラシカルなブローチといった新しい品物も取り揃えています。
お店の中央の大きなテーブルは、実際に使われていたビリヤード台です。どっしりとした安定感があり、四隅にはビリヤードの玉が入る網が備わっているのもユニークです。
日常の生活の中で使うものが好きという勝俣さんが買い付けるアンティークは、日々の生活にフレッシュな感覚を呼び覚ましてくれる器や道具が多く、思わず手に取って見たくなるものばかりです。アンティークと向き合う時はこれまでのストーリーを想像してイメージを膨らませながら使い道を考えるのだそう。
アフタヌーンティー発祥の地として知られる英国は、魅力的なティーセットのブランドが数多く存在します。カップ&ソーサはもちろん、ポットやクリーマーまでセットで揃えたくなるようなシリーズは見ているだけでも心が弾みます。
優しい花の柄と甘い色合いのティーセットは、20世紀を代表するイギリスの女性陶器デザイナーであるスージークーパーによるものです。英国の多くの女性に支持されロイヤルファミリーからも愛された陶磁器は、世界中のコレクターにも親しまれています。
ビリヤードのテーブルでひときわ存在感を放つのは、ウェッジウッドの深い緑色の皿です。マヨルカ焼きの皿で、表面に錫釉(すすぐすり)という釉薬(うわぐすり)を塗ってあざやかに発色するのが特徴です。13世紀にヨーロッパに広がりウェッジウッドでは1860年から1940年まで製造されていました。このお店のヒマワリ柄のお皿はバックマークからその黎明期の品物なのだそう。そんな話を聞きながら過ごすのも楽しいひと時に。
カップやポット以外にもさまざまなかわいい小物が揃うのもこのお店の楽しいところ。紅茶のストレーナーもいろいろな種類があり、とっておきの茶葉で淹れる時に使いたくなりますよ。
ティーカップと一緒にセッティングされていた白いナプキンには、スコッチテリアが刺繡されていました。表情豊かなワンちゃんに、ティータイムのおしゃべりもますます花が咲きそう。
このショップではアンティークのほかに、英国のバーレイ社が扱う昔ながらの銅板転写でプリントする新品の陶器や、人気イラストレーターのローラ・ストダートのカードやティータオルも扱います。どれもシリーズで揃えたくなるおすすめのアイテムです。
普段の生活に取り入れたくなるステキな品物にあふれる「フローラル アンティークス」。いつもマグカップを使っているのだとしたら、それをカップ&ソーサに替えるだけでも気分が変わると勝俣さんは話します。ぜひそんなお気に入りを見つけてくださいね。