お店の中央のテーブルに水がサラサラと流れる「RURU KAMAKURA(ルル カマクラ)」。枯山水をイメージして小石を敷き詰めたテーブルは水が循環していて、トレーで運ばれる抹茶ラテやオリジナルの羊羹テリーヌをその上で味わうのは、ちょっと不思議なここだけの体験です。散策途中に立ち寄ってはいかが?
鎌倉小町エリアにお店を構える「RURU KAMAKURA」はガラス張りの明るい和カフェ。中央に置かれた大きなテーブルは、枯山水の庭を表現した小石の上を清らかな水が流れて行く仕掛けがあり、はじめて訪れる人にとっては不思議な光景を目の当たりにします。
テーブルには乳白色の細かい小石を敷き詰め、そこに枯山水の庭園でよくみられる箒目(ほうきめ)と呼ばれるうねりや渦門などの模様もしっかりとついています。一般的に枯山水は水のない庭園に箒目をいれることで水面を表すとされていますが、このお店ではその上に水が流れていて “枯山水”ならぬ“濡山水(ぬれさんすい)”と呼んでいるのだそう。
鎌倉の古刹の庭園を彷彿とさせるテーブルでいただくのは、しっとりとした口どけにこだわった羊羹テリーヌです。京都宇治から取り寄せた抹茶やほうじ茶に、卵やバター、生クリームなどを合わせて焼く洋菓子のテリーヌを、笹の葉に乗せて羊羹のように仕上げています。きめ細やかで羊羹よりも柔らかく、口に運ぶとそれぞれのお茶の風味がほんのり広がります。
ラテはオーダーごとにスタッフが茶筅で点て、水のテーブルでミルクに注いでいきます。サラサラと心地のいい水の流れる音を聞きながらミルクの白色と抹茶の深い緑色が混ざっていく様子を見ていると、観光客で賑わう鎌倉の喧騒を忘れそうになるほどおだやかに過ごせます。
レアチーズのテリーヌも、ヒノキのトレーで運ばれてくるとすっかり和菓子の表情に。厳選したクリームチーズを高温で焼いて一晩寝かせた濃厚な味わいに下に敷いたベリーソースがよく合います。「カフェラテ」(650円)や「アメリカ―ノ」(600円)はもちろん「ほうじ茶ラテ」とも相性がよく、おすすめの組み合わせです。
注ぎ口のある片口茶碗で点てたお茶は、最後の一滴がしずくとなってグラスに落ちるまで、ゆっくりとしたペースで注がれます。濡山水のテーブルで、いにしえの文化に触れながらゆったりとした気分で過ごしてもらいたいという思いからなのだそう。お店を出る頃には心までも澄んでいるような感覚になりますよ。ゆったりと過ごしてくださいね。