小田急小田原線・代々木八幡駅からほど近い、富ヶ谷エリアに店を構える「ルヴァン 富ヶ谷店」。創業以来30年以上守り続けてきた自家製酵母と国産小麦を使ってパンを焼いています。焼きあがったパンは香ばしい小麦の香りと酵母独特の酸味が感じられ、長年のファンも多いといいます。こだわりの素材を使って丁寧に焼き上げられる自慢のパンを味わいに、出かけましょう。
代々木八幡駅から徒歩5分。スタイリッシュなカフェや雑貨店なども多い富ヶ谷エリアの井ノ頭通り沿い、上原一丁目交差点の角に「ルヴァン 富ヶ谷店」はあります。こちらは1984年創業の、パン好きで知らない人はいないという有名店。イースト菌による柔らかくて白いパンが一般的だった時代に、ヨーロッパの昔ながらの製法である自然発酵の酵母を使ったパン作りを始めたパイオニアで、以来30年以上、自家製酵母種を大切にかけ継ぎながらパン作りを続けてきました。
ヨーロッパの田舎にある山小屋をイメージしたという店内は、あたたかみのある光に包まれています。奥に工房があり、店頭には焼き立てのパンがずらりと並べられています。パンはほぼすべてがハード系で、カンパーニュを基本に全粒粉100％のもの、小麦の原種にあたり小麦アレルギーが発症しにくいといわれるスペルト小麦を使ったものなどさまざま。小麦は栃木や群馬、長野産のものを使用しており、小麦本来の風味がしっかりと感じられ、さらに酵母の酸味も加わって、噛めば噛むほどに味わいが増します。
こちらは創業当初から店の看板商品「カンパーニュ317」。材料は国産小麦と酵母、塩と水といたってシンプル。店で製粉した無農薬小麦の全粒粉を25％配合しており、風味豊かで、毎日食べても飽きの来ないオーソドックスな味わいです。ヨーロッパの昔ながらの製法を元に大きく丸い状態で焼き上げていますが、そうすることで中がしっとりもっちりと仕上がります。好みの厚さに切って食事のお供にするのがおすすめ。硬くなったら霧吹きなどで水をかけてトースターで焼くと柔らかくなり、香ばしく食べられます。ハチミツやサワークリーム、クリームチーズとの相性もバツグンです。
「ルヴァン」のパンは大きなサイズで焼かれるため、グラム単位で販売しています。量の感覚がわからなくても、「このくらいのサイズで」とジャスチャーで伝えればそれを目安に切ってもらえるのでご心配なく。食べきれる量だけ購入できるので、いろいろな種類を買ってみられるのもうれしいです。
カンパーニュは甘味がなくてちょっと苦手という人におすすめなのが、ドライフルーツが入ったパン。左はカランツと呼ばれるすぐりの実とクルミがたっぷり入った「メランジェ」。お得意さんからの注文をきっかけに誕生したメニューだそうで、今ではルヴァン一番の人気なのだそうです。右は中国奥地で収穫し自然乾燥させたグリーンレーズンを使用した「レーズンパン」。黒や茶色の通常のレーズンほど甘くなく、さっぱりと食べられます。
パン屋の隣には「ル・シァレ」を併設。こちらでは実際に、ルヴァンのカンパーニュを使用したメニューをいただくことができます。自慢のパンにバターはちみつを塗ったものやサンドイッチのほか、惣菜やスープが付いた「本日のプレート」までさまざまな軽食をラインアップしています。写真の「本日のプレート」は、カンパーニュを中心にパン2～３種にスープ、惣菜、サラダが付くセット。スープや総菜には野菜がたっぷり入っていてとってもヘルシーです。信頼のおける農家さんから仕入れた新鮮な野菜を使い、スープはミネストローネやポタージュなどその日によって味わいが変わります。総菜は植物性の素材を中心にした和風のテイストのものになることが多いそうです。
パンに添えられる自家製のごまみそペーストがまた絶品。白練ごまと味噌を混ぜた和風のペーストで、甘さはなく、芳醇なごまの香りとまろやかな味噌の旨味がカンパーニュのほのかな酸味とよく合います。店頭で購入もでき、自宅で味わうファンも多いのだとか。
「ルヴァン」の店内では、パンに合うハチミツやペーストなどのスプレッドのほか、「ル・シァレ」で使用している調味料、果汁100％のジュースなども販売しています。さらに交流のある農家さんから新鮮野菜が届いた際は、それを店先で販売することもあるそうです。どれも「ルヴァン」が自信をもっておすすめする、生産者が丁寧に生産・製造した安心安全なものばかりです。
「ルヴァン」には、オーナーの出身地・長野県上田に2004年にオープンした「信州上田店」もあります。富ヶ谷店同様に主にハード系のパンが並び、県外から訪れるファンも多いそうです。30年以上大切に育ててきた自家製酵母と国産小麦でじっくりと焼き上げられる「ルヴァン」のパンを、ぜひ一度味わってみてくださいね。
