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【京都よりみちこみち】不明門通とその周辺:前編

  • 2020年10月3日
  • ことりっぷ


駅やバス停もすぐの街なかにありながら、静かな空気が満ちる「不明門通」。不思議な名前の由来をひもといてお薬師さんにそっと手を合わせたら、あたりをゆったり散歩してみましょう。
不明門通り散策のスタート地点となる平等寺へは、地下鉄四条駅の5番出口から歩いて3分ほど。「不明門通(あけずどおり)」。古くから親しまれてきた「因幡薬師(いなばやくし)」こと平等寺の南門を起点として南へ伸びています。
正式には「あけずのもんどおり」と読みますが、地元の人びとは「あけずどおり」と呼ぶ、なんだか謎めいた名前です。1171(承安元)年、因幡薬師を「平等寺」と命名した高倉天皇が境内の南側に移り住んだことから、天皇に遠慮して南門を開けるのを控えたのだそう。これが通り名の由来と伝わっています。
地下鉄四条駅から徒歩4分の「ブランジェリーマッシュ京都」は、不明門通の東側、東洞院通にあるパンのお店。京町家の建物の中は小粋なパリを思わせます。
店を営むのは、国内とパリでの修行を経て独立した増野シェフ。ベルギー産の発酵バターの香りを存分に引きだしたクロワッサンは、風味の良さ、ボリューム、お手頃価格の三拍子がそろった人気のメニュー。
九条葱、抹茶、白味噌といった多彩な京都の食材を使ったパンや、「夕顔」「六条の御息所」など、『源氏物語』の登場人物に迫り色や味わいを工夫した菓子パンも好評。2階のカフェでドリンクとともに楽しみましょう。
「上羽絵惣」は、創業270年目、日本最古の歴史をもつ絵具商。日本の風土や文化に根差した伝統色を後世に残したいという思いで10年前に開発した胡粉ネイルが、爪にやさしいと人気を呼び、店を訪れる人の年齢を問わずときめかせています。
原料の胡粉は日本画の白色顔料で、京人形や能面など伝統文化の継承にも欠かせないもの。さらりとのびてすぐ乾くのが胡粉ネイルの特徴です。日本の伝統色を表現した「和色シリーズ」や、キラキラのラメが上品な輝きの「きららシリーズ」などラインナップも豊富。
ネイルのほか、コスメブランド「美艶華(うつやか)」も展開。京野菜から抽出した成分を使用したBBクリームや京都の花をイメージした口紅も並びます。
コスメにも取り入れられている白狐のラベルは、大正時代に流行していたアールヌーヴォーなどを取り入れて考案されたもの。時を経て味わいを増した町家の空間に、絵具とともにディスプレーされた奥ゆかしいネイルやコスメに心が弾みます。
真言宗智山派の寺院で、病気平癒、特にがん封じのご利益で信仰を集めている「平等寺」。因幡国に国司として赴任していた橘行平の帰京を追い京にやってきた薬師如来像は、ご本尊としてお祀りされ、「因幡薬師」として親しまれています。
ご本尊の薬師如来像は日本三如来のひとつに数えられています。ユニークなのは、お薬師さんが頭巾を被っていること。これは、京都が火災の多いまちであったことに由来し、度重なる火災からすぐに逃れられるよう、車輪付きの厨子に入り頭巾を被った姿でお祀りされているのだそう。
境内では、毎月8日に「因幡薬師手作り市」が開かれています。スイーツからアクセサリーまでぬくもりのあるハンドメイド品がそろうので、お参り後にぜひのぞいてみて。
「高木珈琲 烏丸店」は、地元の常連さんが集う昔ながらの喫茶店。烏丸通側と不明門通側のどちらからでも出入りができ、京都らしい「うなぎの寝床」を体感できる造りのお店です。朝7時からオープンしていて、「まいどっ」と迎えてくれる気持ちのよい挨拶に、朝から元気を分けてもらえます。
名物「リッチモーニング」は自慢のコーヒーに、トースト、スクランブルエッグ、ソーセージ、ポテトサラダがセットになった大満足のひと皿。“リッチ”とのネーミングには、憂うつな日の朝もちょっとだけ贅沢な気分になってもらいたいとの思いが込められています。トーストは、バター以外にジャムやシナモン、ピーナツバターを選ぶこともできますよ。
コーヒーは、御陵にある「ガルーダコーヒー」と同じ自家焙煎の豆を使用。カフェタイムなら、ラム酒が効いた昔懐かしい硬めの食感の「プリン」(450円)をおともににゆっくり過ごしてみませんか。

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