〈湯ザメぬいぐるみキーホルダー〉(1980円)
売り上げの一部は観光促進に還元国内きっての温泉地・別府。今ここで、ユニークなキーホルダーが販売されているのをご存知でしょうか?その名も〈湯ザメぬいぐるみキーホルダー〉。
このゆる〜い表情。なんとも愛らしく、身につけていたら、ふとした瞬間、癒しをもたらしてくれそうですよね。
実はこのキーホルダー、別府の宿泊施設で役目を終えたシーツでつくられているんです。
古くから多くの宿泊施設がある別府ですが、そのぶん不要なシーツや枕カバーなどが莫大な数にのぼるといいます。プロジェクトに賛同した別府市を管轄するリネンサプライ2社への調査によると、1か⽉に約800kg〜1tのシーツや枕カバーが処分されているんだとか。
それを一般社団法人 別府市産業連携協働プラットフォーム〈B-biz LINK〉は、アップサイクル商品を開発して、その売り上げを観光促進に還元する仕組みを考案。〈湯ザメぬいぐるみキーホルダー〉として販売されることになりました。
このキャラクターをデザインしたのは、福岡を拠点に活動する人気イラストレーターの oshow(おしょう)さん。なぜ「サメ」をモチーフにしたかというと、怖いイメージのサメをかわいらしいぬいぐるみに落とし込んだときのギャップに惹かれたのと、「湯冷め(ゆざめ)」と温泉になぞらえた言葉とのダジャレ的な観点から採用されたそう。
キーホルダーにした理由は、修学旅行などで現地のお土産さんに入ったときに、ご当地のヘンテコなキーホルダーが興味深かった記憶から。
ぬいぐるみは、⼤分県内の障がい者就労支援作業所(※)で、ひとつひとつ⼿づくりされています。※アトリエ湯輪夢(とりむ/大分市)、青い鳥(豊後大野市)、ハートピアきむれ(竹田市)の3か所。
また収益金の一部は、コロナ禍で打撃を受けた宿泊施設に還元されるといいます。
現在、ひと月経たずも経たずに、すでに30体は売れているのだそう。テレビ番組にも取り上げられたということで、これからどんどん人気になりそう。
最後に、一般社団法人〈BRIDGE KUMAMOTO〉の佐藤かつあきさんにこのプロジェクトの展望を聞くと、こんな答えが。
「別府では息の長いプロジェクトとして、ずっとお土産屋さんに置いてもらえるといいなと思います。また、つくり手である障がい者就労支援の方々にとても喜んでもらえてるので、日本中にある障がい者就労支援とその地域の温泉地をつないで、別の顔をした“湯ザメ”がつくれたらなと」
別府の新顔・湯ザメ。現地に行った際はマストバイです。
information
湯ザメぬいぐるみキーホルダー
販売場所:別府駅観光案内所「Wonder compass」、別府市公式宿泊予約サイト ゆのくにゆのたび別府温泉、海地獄、竜巻地獄
一般社団法人 別府市産業連携・協働プラットフォーム B-biz LINK
tel:0977-77-4513
mail:mail(担当 内山)
株式会社かつあき
tel:096-273-6425
mail:mail(担当 佐藤・安倍)
*価格はすべて税込です。
writer profile
Kanae Yamada
山田佳苗
やまだ・かなえ●島根県松江市出身。青山ブックセンターやギャラリースペース、ファッション・カルチャー系媒体などを経て、現在フリーのライター、編集者として活動中。まだまだ育ち盛り、伸び盛り。ファッションと写真とごはんが大好きです。