広島市中区に旅とローカルフードを体験できる複合アンテナカフェ〈FRASCO〉がオープンしました。
運営を行う〈FRASCO〉は、地方自治体を中心とした地域の活性化に伴うプロジェクト(中山間地域振興や観光振興、シティプロモーション、移住定住など)を中心とした事業を展開してきた企業です。これまで培ってきた地域との繋がりをいかしつつ、新たな事業展開として、地方と都市をつなぐリアルな場として複合アンテナカフェを開設しました。
敷地内には素朴ながらも、安心で豊かなローカルフードが味わえる〈Tabi Labo CAFE〉、里山・里海のとっておきの食や雑貨が並ぶ〈さとやま商店〉が併設され、スタッフから県内外の旅の情報を聞くことができます。
店舗デザインは「⽇本空間デザイン賞 2022 shortlist (⼊賞)」や、令和元年度「美しい街づくり賞 リノベーション部⾨賞」など数々の受賞歴がある呉市のクリエイティブデザイナー兼ディレクターの中本尋之⽒が⼿がけています。段々になっているエントランスは、ホップ、ステップ、ジャンプと複合アンテナカフェの3つの機能へ訪れて欲しいという想いが込められた遊び心あふれるスペースに。ここで、コーヒーやプリンを楽しむことも可能です。
壁面には、広島・山口の旅マップもあり、各地の地方創生を手がけるFRASCOのオフィスも併設されているので、ローカル好きな人と出会えるかもしれません。
旅するローカルフードの〈Tabi Labo CAFE〉県内のとっておき素材でつくられたローカルフードで地域の魅力を発見できる〈Tabi Labo CAFE〉。看板メニューは、広島を代表する安心と健康に配慮した広島市湯来町の〈サゴタニ牧農〉の牛乳と生クリームを贅沢に使用した「ひろしま さとやまプリン」(480円)です。
サゴタニ牧農の牛は、土づくりからこだわった自社牧草地の栄養たっぷりの牧草を食べて育ちます。日本の95%の牛乳は超高温殺菌されていますが、砂谷牛乳は残りの5%に当たるパスチャライズド牛乳です。一般的な牛乳作りより、手間も時間もかけられています。パスチャライズド牛乳中のタンパク質は、ほとんど熱変性しないため、カルシウムと共に体内でゆっくり消化吸収され、お腹がゴロゴロしにくいとも言われています。
また、プリンには県内産の新鮮たまごや甜菜糖を使用し、なめらかで、トロッとしたミルキー食感に仕上がっています。
店内限定のプリンは、広島の陶芸作家であり、金継ぎ職人の藤原華苗さんの器でいただくことができ、グリーンやブルー、ピンクにイエローなど、やさしい淡い色は瀬戸内の風景を思わせます。
そしてもう一つの名物が、瀬戸内のさまざまな地域の農家が育てた季節ごとのフルーツやお花を使用した、「ひろしま さとうみゼリー」(480円)です。瀬戸内の寒天を使用することで、おばあちゃんがつくってくれたような、昔ながらの固め食感を再現したカラフルでPOPなゼリーになっています。フレーバーは季節に応じて異なりますがイチゴや柑橘、ブルーベリー、ピオーネ、無農薬バタフライピーなど。開発には、大崎上島町の岩﨑農園・岩﨑亜紀さんも関わっています。テイクアウトが可能で、ネットショップ〈さとやま商店〉でのお取り寄せもできます。
ちなみに店舗やプリン、ゼリーのロゴデザインは、デザイナーの寺下のぞみさんによるもの。たまごとプリンで広島県の形をイメージしています。ゼリーは、かもめのお腹に、風・海・山をデザインし、里山里海の風土で育った果実を使用していることを表現しています。
このほか店内限定メニューとして提供する、むっちり硬め食感が特徴の「さとやまプリン&クリーム」(680円)、「さとやまプリン&ジェラート」(¥880)や「パフェ(一部、季節限定商品あり)」(1400円)のほか、ネットショップ〈さとやま商店〉で販売しているオススメのご当地グルメ、さとやまランチを味わうこともできます。
また、大崎上島町や尾道市などのレモンを使用したレモンスカッシュ、シトラスやベリーのスムージー、庄原市の無農薬エディブルフラワーを使用したティーで喉を潤すこともできます。
さらに、さとやま食材を使ったカラダにうれしいランチも提供。庄原市や世羅町などの広島の美味しいお米や、ちりめんなどの具を使用したおにぎり、安心できる農家から仕入れた食材や味噌、だしなどを使用した具沢山お味噌汁など、健康面にも配慮して栄養士監修のもと開発しています。
コーヒーは県内各地で活躍する〈YUYA ROAST〉から、豆を仕入れています。
里山・里海のとっておき〈さとやま商店〉についてひろしまの里山の豊かさを届けたい、という想いからスタートしたネット商店のさとやま商店。広島県を中心とする、さとやま地域の生産者の野菜や、雑貨、広島でがんばる企業とのコラボ企画商品などを販売しています。コロナ禍には、広島県の事業で県内の道の駅とともに、ローカルの食を届けるプロジェクトを展開していました。現在もその縁から、道の駅の産品を販売しています。このたび、複合アンテナカフェFRASCO新設に伴い、リアルな商店として誕生しました。
広島ならではのカフェやショップ、地域の人と出会えるイベントを通じローカルの魅力を発見できそうです。
information
FRASCO
住所:広島県広島市中区三川町5-7 並木ツインビル1F
営業時間:11:30〜19:00(Tabi Labo CAFE)
店休日:無休
TEL:082-258-5448(カフェは082-258-5449)
Web:〈FRASCO〉公式ウェブサイト
Web:〈Tabi Labo CAFE〉公式Instagram
Web:〈さとやま商店〉ネットショップ
*価格はすべて税込です。
writer profile
Riho Nakamori
中森りほ
なかもり・りほ●東京生まれ東京在住のフリーライター/編集者。仕事やプライベートで月に1回以上、地方や海外へ。各地のおいしい食べ物やお酒、素敵なホテルや旅館を発掘するのが趣味。好きな番組は『ブラタモリ』『六角精児の呑み鉄本線・日本旅』。