梅雨も明けて、夏本番。スーパーの店頭にはカラフルな夏野菜が並び賑やかです。
そんな夏が旬の食材の一つに、中華料理や漢方でおなじみ、滋養強壮・不老長寿の薬膳食材として使われてきた、「きくらげ」があるのはご存知ですか?
きのこと言えば秋のイメージですが、きくらげの旬は6~8月の今! 低カロリーなのに体に大事な栄養素がたくさん含まれ、実は美肌パワーのある食材です。普段中華料理などで食べる機会の多いのは黒きくらげですが、食用のきくらげには白きくらげもあり、白黒共に素晴らしい薬効があります。中国では漢方や薬膳の食材として愛され、古来より不老長寿の妙薬としても珍重されてきた白きくらげは、世界三大美女といわれる楊貴妃も好んで食べていたとか。
黒きくらげ、白きくらげ共に栄養素ではビタミン B 群の他、骨を丈夫にしてくれる働きを持つエルゴステリンという成分(体内でビタミンDに変化)や、ミネラルではカルシウム・鉄・カリウムなどを含み、食物繊維も豊富です。また、きくらげにはゼラチン質である「膠(にかわ)」という成分が含まれていて、これがお肌に水分とハリを与え老化を防ぎ、乾燥肌を改善する効果が期待できます。
白きくらげには抗酸化力もあり細胞の老化を防ぎ、コレステロールの酸化も防ぐため動脈硬化を予防するなどの働きもあるほか、白きくらげの抽出エキスはその保水力の高さから、化粧品原料としても注目を浴びていて、体内での保水力はヒアルロン酸をしのぐほどとも。
一方薬膳では黒きくらげは血液を増やすとともに、血液の余分な熱のこもりを鎮めて流れを良くし、貧血に効果があるとされています。白黒セットで食べれば黒きくらげは栄養を運び、白きくらげはうるおいを与えてくれるため、お肌にはいいことずくめ。
ではそんな美肌パワーに優れたきくらげを使ったメニューをご紹介します。
【海鮮あんかけ焼きそば】
<材料(2~3人分)>
・海老:6~8尾
・ホタテ:3~4個
・紋甲いか:50g
・豚肉:100g
・うずらの卵:6~8個
・青梗菜:1把
・白菜:2枚
・黒きくらげ(生):3~4枚
・ネギ:10mほど
・ニンジン:4cm
・パプリカ:1/4個
・もやし:1/2袋
・中華麺(蒸し・焼きそば用):2玉
・油:大1
・片栗粉:適宜
・ごま油:大1
・しょうが(みじん切り):1かけ
・ニンニク(みじん切り):1/2かけ
A(合わせ調味料)
・オイスターソース:大1
・紹興酒:大2
・中華スープ:1.5カップ
・水溶き片栗粉:適宜
<作り方>
①海老は殻をむき背ワタを処理し、塩・紹興酒(分量外)をふりかけ、揉みこんで水洗いをする。帆立貝柱は半分に切り、イカは花切りに。いずれも水気をしっかりと拭き取っておく。
②すべての材料を食べやすい大きさに切る。ニンジンは3~4cmの短冊切りに。ネギは斜め薄切りにする。黒きくらげは手でちぎり、白菜の白い部分はそぎ切りにし、青梗菜は 1枚ずつはずし4cmの長さに切る。(軸とは葉は火の通りが違うので分けておく)
③フライパンに油大さじ1を熱し、中華麺をほぐし入れて両面にカリッと焼きつけ器に盛っておく。
④①に片栗粉をはたき、熱したごま油でさっと炒め取り出す。
⑤(必要ならごま油を追加して)しょうが・ニンニクを炒め、香りが出たら②の野菜を火の通りにくいものから順に炒め、うずらの卵とA(合わせ調味料)を入れる。
⑥とろみがついたら③の麺ににかけ、完成。
海老やホタテなどの魚介類は高タンパク低脂肪な上、タウリンが含まれているので夏バテ防止にもなりますし、野菜もたくさんとれます。中華麺の代わりにご飯にかければ中華丼に、糖質制限中の方ならお豆腐の上にかけてもおいしくいただけますよ。
そして、スタミナたっぷりの海鮮あんかけ焼きそばの後には、冷たいさっぱりぷるぷるゼリーをどうぞ。
【白きくらげのぷるぷるゼリー】
<材料(2~3人分)>
・白きくらげ(乾物):5g
・シナモンスティック:1本
・はちみつ:60g
・レモン汁:大1/2
・ゼラチン:5g
・水:1カップ
・赤ワイン:1/2カップ
<作り方>
①白きくらげは水で戻してよく洗い、硬い部分は取り除いておく。
②白きくらげを20分ほど茹でていったん取り出し湯を捨てる。水1カップとシナモンスティックを入れ、蓋をして柔らかくなるまで15分ほど煮る。(水分が蒸発した分は加水する)
③赤ワインを入れアルコールが飛んだら火を止めシナモンスティックを取り出し、ふやかしたゼラチンを入れ混ぜる。
④粗熱をとり、はちみつとレモン汁を加えて混ぜ、器に入れて冷蔵庫で冷やし固める。
きくらげ、特に白きくらげはあまり進んで手に取ることのない食材かもしれませんが、目新しい食材が食卓に上がると食卓が新鮮になり会話も弾みます。
これを機にぜひ普段の料理にも取り入れてみてくださいね!