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「ソーラーパネル」 詳細解説

読み:
そーらーぱねる
英名:
Solar Panel

地表に降り注ぐ太陽エネルギーは1m2あたり約1kWで、地球全体で考えると、世界の年間消費エネルギーをわずか1時間でまかなうことができる。太陽エネルギーを利用して発電を行う太陽光発電は、1950年代にアメリカで発明されて以来、地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)などを排出しないクリーンなエネルギー源として、地球環境保全の観点から高い期待が寄せられてきた。太陽光発電に用いる太陽電池を、必要な電圧が得られるように多数接続した板のことを太陽電池パネル(ソーラーパネル)という。また、構成素子となる太陽電池1つひとつを太陽電池セル、セルを必要な個数配列してアルミなどの金属やポリカーボネートなどの樹脂、保護層などで形づくったものを太陽電池モジュールと呼ぶ。ソーラーパネルは、それを大きくしたものだ。発電ではなく、太陽熱温水器などの集熱器をこう呼ぶ場合もある。

ソーラーパネルを構成する太陽電池は半導体の一種で、太陽光エネルギーを受けている間、その光エネルギーを電子に直接吸収させ、電力として取り出す機能を持つ。使われる半導体などの種類によってシリコン系(結晶系、薄膜系)、化合物系(CIGS系、高効率化合物半導体)、有機物系などがあり、現在の主流は、性質の異なる2種類のシリコン半導体を重ね合わせた結晶系のシリコン太陽電池だ。一方、薄膜系アモルファス(非晶質)シリコンは、安価で大量生産に向き、建材などに加工しやすく、温度による影響も小さいといった利点があるが、結晶系シリコンと比べて変換効率(光から電気に変える効率)が低く、性能面で課題がある。現在使われている太陽電池の変換効率は約10%から20%といわれる。また、これらの太陽電池の評価方法はJIS規格で定められている。

太陽光発電システムは、ソーラーパネルと、そこから得た電気を直流から交流に変えるインバータなどで構成される。当初、1) エネルギー密度が希薄、2) 自然条件に左右されやすい、3) 既存電源に比べて費用が高い、といった問題があったが、日本はサンシャイン計画などで実用化のための技術開発に力を入れ、世界でもトップクラスの変換効率を実現。その生産量は世界のシェアの約半数を占める。対費用効果も向上し、家庭用電源としても普及した。導入実績は、2003年度末で約86万kW、2010年度の目標値は約482万kWだ。たとえば、一般の住宅の屋根に約24m2から30m2の面積のソーラーパネルを設置すると3kWの太陽光発電システムが成立し、1年間で3200KWh程度の電力が得られ、全使用電力の7割をまかなうことができるとされる。これを石油に換算すると約900リットルの節約につながる。また、余った電気は電力会社に売る事ができ、夜間や雨天の時など電気が不足する場合は配電線から電気の供給を受ける。

ソーラーパネルを利用した大規模な太陽光発電の普及を目指すため、環境省は2005年にメガソーラー事業などを柱とするソーラー大作戦を提唱した。また、政府は「低炭素社会づくり行動計画」の中で、太陽光発電の導入量を2020年に10倍、2030年に40倍とする目標を掲げている。これを受けて環境、経済産業、文部科学、国土交通の4省は、2008年11月に「太陽光発電の導入拡大のためのアクションプラン」をまとめた。具体的には、1) 技術開発の促進や補助金、2) エコアクションポイントの活用などを通じた導入拡大を図るための需要と供給サイドの取り組みの強化、3) 制度環境の整備、4) 太陽光関連産業の国際展開の支援、などを行う。さらに、政府は2008年度の補正予算に「住宅用太陽光発電導入支援対策費補助金」事業を盛り込んだ。住宅へのソーラーパネルなどの設置に対して補助金を交付する内容で、1kWあたりのシステム価格が70万円以下の太陽光発電システムが対象となり、補助金額は1kWあたり7万円ほどになる見込みだ。

今後、ソーラーパネル関連の技術開発が進み、価格が下がることで、住宅用だけでなく工場や商業ビル、公共施設などへの太陽光発電の普及が期待される。その一方で、原料となるシリコンの供給不足を懸念する意見もあり、ソーラーパネルなど太陽光発電向けシリコンの供給体制の整備や、出力の高いシステム開発などが課題だ。

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