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「バイオディーゼル(BDF)」 詳細解説

読み:
ばいおでぃーぜる
英名:
Bio Diesel Fuel(BDF)

バイオマスのうち、菜種油・ひまわり油・大豆油・コーン油といった植物由来の油や、てんぷら油などの廃食用油からつくられるディーゼルエンジン用の燃料を、バイオディーゼルという。英語の頭文字を取ってBDFと略す。植物は大気中から二酸化炭素(CO2)を吸収する光合成を行って成長するため、BDFは燃焼によってCO2を排出しても、大気中のCO2総量が増えないカーボン・ニュートラルだ。

ディーゼルエンジンは、燃費が良く耐久性に優れているため、とくに貨物輸送を担うトラックなどに向いているが、日本国内では、大気汚染の移動発生源として厳しい規制が行われてきた。BDFは、従来の軽油に混ぜてディーゼルエンジン用燃料として使用できるため、CO2削減の手段として期待されている。また、硫黄酸化物(SOx)の排出も少ない。一方、ガソリン代替のエコ燃料としてはバイオエタノールがある。

日本では、BDFの普及に向けて、市民・事業者・行政の協働によるさまざまな取り組みが先行して進められてきた。たとえば、休耕田や転作田で菜の花を栽培して菜種油を生産して食用油として利用し、その廃食用油を回収してBDFにして利用する「菜の花プロジェクト」は、1998年に滋賀県東近江市から始まり、全国へ広がった。また、京都市は、廃食用油を原料としたBDFを、ごみ収集車や一部の市バスに導入している。

BDFをディーゼル車用の燃料に使う際には、BDFのみで使用する方法と、軽油に混ぜて使用する方法がある。後者については、「揮発油等の品質の確保等に関する法律」により、BDFの混合上限が5%と定められている。

政府は、2005年4月に閣議決定した「京都議定書目標達成計画」で、輸送用燃料におけるバイオマス由来燃料の利用目標を示し、2006年3月閣議決定の「バイオマス・ニッポン総合戦略」で、輸送用燃料としての利用に関する戦略を明記した。その後、2008年に農林漁業バイオ燃料法が、2009年にバイオマス活用推進基本法が施行された。2010年12月閣議決定の「バイオマス活用推進基本計画」では、2020年に炭素量換算で約2600万tのバイオマスを活用するという目標を掲げた。

欧州では、自動車メーカーなどが、燃費が良くて耐久性にすぐれたディーゼルエンジン車の技術開発に力を入れている。ただし、欧州におけるBDF原料の多くが菜種で、価格上昇を招くこともある。このため、食料や飼料として利用できる資源を原料とすることは、食とエネルギーの間の資源配分の観点から問題であるという意見もある。

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