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「ブナ林の減少」 とは

読み:
ぶなばやしのげんしょう
英名:
Decrease of Buna Forest

日本は、国土面積の約7割が森林という世界有数の森林国だ。しかし、スギやヒノキなどのように、同じ種類の樹木を同じ時期に造林した「人工一斎林」が多く、豊かな林相をもつ自然林はわずかしか残されていない。なかでも国内のブナ林は、1950年代から始まった拡大造林政策によって、壊滅的な打撃を受けた。この政策の目的は、経済発展に伴う木材需要に応えるため、国内のブナ林を伐採してスギなどの針葉樹に植え替えることだった。

しかし、伐採によって森林の保水力が奪われ、各地で土砂崩れなどによる被害が多発することにつながったという指摘がある。また、海に流入した土砂やヘドロは、魚類の産卵場である藻場(もば)を破壊し、漁業資源の減少をもたらしたともいわれている。近年、森林生態系の多様性が重視されるようになるとともに、ブナ林が貴重な遺伝資源の宝庫であるという認識の広がりを受けて、ブナ林を保護する運動が各地で行われている。

そのもっとも成功した例が、青森・秋田の両県にまたがる白神山地の原生ブナ林だ。世界最大級といわれるブナ林が広域に渡ってほぼ原生そのままの姿で残されており、1993年12月に世界遺産に登録された。この地では、1978年に大規模林道建設計画がもち上がったが、保護を求める声におされて1989年に中止が決まり、世界自然遺産としての登録へとつながった。

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