サイト内
ウェブ

「オゾン観測」 とは

読み:
おぞんかんそく
英名:
Ozonosphere Observation

オゾン層の観測は、国際オゾン委員会が1957年から1958年の国際地球観測年(IGY)にあたり、各国の気象機関にオゾン観測の実施を呼びかけたことを機に、世界全体で行われるようになった。その後、地球環境の実態を正確に把握するため、地球規模でオゾンや温室効果ガスなどを観測し、データ収集などを行う体制が必要になった。このため、世界気象機関(WMO)が1989年に、既存の観測網などを基礎とする全球大気監視計画(GAW)を発足した。一方、世界の研究者の集まりとして、大気組成変化検出のためのネットワーク(NDACC)がある。

オゾン観測の世界標準として広く用いられているのが、ドブソン分光光度計だ。石英プリズムを使って太陽光をスペクトルに分け、さらに測定しやすい2種の波長の光を取り出し、強度を測定する。また、オゾンレーザーレーダーによる成層圏オゾン観測気球や、ロケットを使って上空のオゾン量を科学的に分析する方法、光学的に測定するオゾンゾンデによる観測も行われている。このほかに、人工衛星に搭載したオゾン全量測定スペクトル計もオゾン層の観測に使われる。

世界中に設置されたオゾン観測点での観測の結果、2012年における世界のオゾン層の状況は、南極大陸のほとんどの領域で、年平均オゾン全量が参照値(1997年から2006年の累年平均値)より10%以上多く、一部は15%以上であることがわかった。日本では、札幌、つくば、那覇、南鳥島でオゾン層の観測を行っている。同年における日本上空の月平均オゾン全量は、国内4地点とも参照値(1994年から2008年の累年平均値)と同程度だった。また、紫外線の観測を札幌、那覇、昭和基地で行っている。

キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。